症状

典型的な初期症状は、昔のことはよく覚えているのに、数分前のことが思い出せないという記憶障害です。そのほか、抑うつ気分になったかと思うと多弁になるなど、情動的な変化もみられます症状は徐々に進行していき、やがて、日時や場所、人と自分との関係がわからなくなっていきます(失見当識)。

さらに、洋服の着脱などの日常的な動作が困難になり、家族の顔も判別できなくなります。

原因

加齢にともない、神経細胞を傷つけるたんぱく質が脳内にたまって老人斑ができ、それによって神経細胞が変性して死んでしまい、全体数が減少するために知的機能が低下すると考えられています。

また、患者の脳を調べてみると、大脳にあるアセチルコリンという神経伝達物質が著しく減少していることも確認されており、この物質がさまざまな脳機能の障害とかかわっているとみられています。

治療法

まだ決定的な治療法はありません。現在は、症状の進行を遅らせることができる抗認知症薬(ドネペジル、ガランタミン)が使われています。

抗認知症薬は神経細胞の壊死を防ぐことはできませんが、ある程度の器官、意思能力を保つことができるので、患者自身が今後のことを決めておいたり、介護施設に入所する時期を延ばして家族と過ごす時間を増やしたりすることが可能です。人生の最後を人間らしく送るためには有意義な治療といえるでしょう。ただ、症状がある程度進行した場合は、薬の効果は期待できません。