パーキンソン病の原因と症状

症状

初めは①振戦(手足が小刻みにふるえる)、②筋固縮(筋肉がこわばって固くなる)、③無動(動作が緩慢になる)の三大症状が現れます。

また、顔が無表情(仮面様顔貌)になったり、姿勢を変えるときにバランスを崩して転びやすくなったりします。

歩行障害をきたすのも特徴で、前かがみになってチョコチョコと小幅で歩くようになります。さらに進行すると、足がすくんで最初の一歩が踏み出せない、どうにか歩き出してもこんどは加速がついて止まろうとしても急に止まれないといったことが起こってきます。

こうした運動障害のほかに、自律神経障害、精神障害(うつ状態など)も徐々に現れてきます。

原因

不随意運動(無意識に行われる筋肉の微妙な動き)をコントロールしているのは大脳基底核で、大脳基底核へ情報を伝達するのは、中脳の黒質から放出されるドパミンという神経伝達物質です。その黒質がなんらかの原因で損傷を受け、ドパミンが不足して大脳基底核が正常に機能できなくなるためと考えられています。

治療法

不足しているドパミンを補う薬物療法が中心になります。抗パーキンソン病薬には、ドパミンになる1段階前の物質を薬にしたドパミン補充役(L-ドパミン)や、ドパミンの作用を強める薬(ドパミンアゴニスト)があります。ドパミンアゴニストは、副作用として妄想や興奮などの精神症状が現れることがありますが、長期に服用した場合、効果が長続きするので、70歳未満の人に用います。

70歳以上の人にはL-ドパミンを用います。抗コリン薬など、間接的に作用する薬は効果が不確かで、認知症症状などを誘発することがあるので、使用を控えます。

病状の進行具合や程度に併せて薬の種類が選ばれ、用量も細かに調整されます。患者が自己判断で用量を減らしたり、服用を中止したりすると、高熱、筋肉硬化、頻脈、意識障害などの重篤な症状(悪性症候群という)を起こすことがあるので注意が必要です。