痛風・高尿酸血症の原因と症状

痛風とは

痛風は、尿酸の過剰な蓄積が原因で引き起こされる、関節や組織の炎症性疾患です。通常、体内の尿酸は腎臓によって排出されますが、尿酸が過剰に生産されたり、排泄がうまくいかなかったりすると、体内に尿酸が蓄積されます。蓄積された尿酸が結晶化して関節に堆積すると、痛風発作と呼ばれる急性の関節炎症が起こります。

痛風は、足の親指の付け根や足首、膝、手首、指などの小関節を中心に発症し、強い痛みや腫れ、赤み、熱感を引き起こします。発作は急に始まり、数日から数週間続くことがあります。また、繰り返し発作を繰り返し、関節や組織の損傷や変形を引き起こすこともあります。

痛風の治療は、急性発作時には痛みや炎症を和らげるための薬物療法が主に行われます。また、発作を予防するために、尿酸値を下げる薬物治療や、ライフスタイルの改善が必要となります。痛風は、適切な治療を行うことで管理可能な疾患です。

痛風の症状

痛風の症状は、急性の発作と慢性的な炎症の両方があります。

急性の痛風発作は、突然起こり、以下のような症状が現れます:

  • 関節の痛み:痛みは一般的に強く、急性の痛みがあり、多くの場合、足の親指の付け根に始まります。他の関節、例えば足首、ひざ、手首、指などでも発生することがあります。
  • 腫れ:関節の周りに赤く腫れた部分が現れます。
  • 熱感:炎症があるため、関節周囲に熱感があります。
  • 関節の可動域制限:関節が動かせなくなることがあります。

慢性的な痛風の症状は、通常、急性発作よりも穏やかであるため、気づきにくいことがあります。慢性的な症状には、以下のようなものが含まれます:

  • 痛みと腫れ:痛風発作と同様の痛みと腫れが続くことがあります。
  • 結節の形成:尿酸が結晶化し、関節周囲に結節が形成されることがあります。
  • 痛風性関節炎:関節が損傷を受け、動かせなくなることがあります。
  • 尿路結石:尿酸が腎臓や尿路に蓄積されると、尿路結石を引き起こすことがあります。

痛風の症状は、人によって異なる場合があります。何らかの症状がある場合は、医師に相談することが重要です。

痛風の原因

痛風の主な原因は、血液中の尿酸濃度が高くなることによって、尿酸が結晶化して関節や組織に堆積することです。具体的には、以下のような原因が考えられます。
  1. 遺伝的要因:痛風は、家族歴がある人により一般的に見られることがあり、遺伝的な傾向があるとされています。
  2. 食生活:高カロリー、高脂肪、高タンパク質の食生活や、アルコール飲料、甘いジュースの過剰摂取は、尿酸の産生を増加させます。
  3. 腎臓の問題:腎臓が正常に働かない場合、体内に尿酸がたまりやすくなります。
  4. 疾患や薬剤:高血圧や糖尿病、腎臓病などの疾患や、利尿剤や抗がん剤などの薬剤は、尿酸の排泄を妨げ、痛風を引き起こすリスクがあります。
  5. 生活習慣:運動不足、肥満、ストレス、睡眠不足などの生活習慣も、痛風の原因とされています。

これらの原因によって、尿酸が過剰に蓄積されると、尿酸の結晶化が引き起こされ、関節や組織に堆積して炎症を引き起こします。

痛風の治療法

痛風の治療法には、急性発作の緩和と、再発予防が含まれます。
  1. 急性発作の緩和:急性痛風発作の場合は、以下のような治療法が一般的に行われます。
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):関節痛や炎症の軽減に効果的であり、痛みを緩和します。
  • コルヒチン:痛風の発作を抑制することができ、早期に投与された場合、効果的な治療薬とされます。
  • ステロイド薬:症状の重度の場合に使用され、急性発作を緩和することができます。
  1. 再発予防:痛風の再発を防ぐためには、以下のような治療法が行われます。
  • 尿酸降下療法:尿酸の蓄積を減らし、再発を予防するために、尿酸を下げる薬が処方されます。アロプリノール、フェブキソスタット、プロベネシドなどが一般的です。
  • 生活習慣の改善:減量、適度な運動、健康的な食生活、アルコールの制限などの生活習慣の改善が推奨されます。
  • 結節の除去:重度の痛風の場合、手術によって結節を取り除くことが行われることがあります。

痛風は、適切な治療を行うことで管理されることが多く、再発を防ぐために適切な医療ケアと生活習慣の改善が重要です。

痛風に効く食べ物

痛風に効く食べ物は、尿酸値を下げる効果がある食品が含まれます。以下は、痛風の方におすすめの食品です。
  1. 低プリン食品:プリンは尿酸の元となる物質で、プリンが多く含まれる食品は避ける必要があります。代表的な高プリン食品は、レバー、内臓、肉類、魚介類、ビールなどです。低プリン食品としては、豆類、野菜、果物、全粒穀物などがおすすめです。
  2. ビタミンC:ビタミンCには尿酸排泄を促進する効果があるため、野菜や果物を積極的に摂ることがおすすめです。特に、キウイフルーツ、オレンジ、ストロベリー、グレープフルーツなどの果物には多く含まれています。
  3. 水分:十分な水分を摂ることで、尿酸排泄が促進されます。緑茶やコーヒーなどのカフェインが含まれる飲み物は、過剰な摂取を避けるようにしましょう。
  4. 乳製品:乳製品に含まれる乳酸菌には、尿酸の排泄を促進する効果があります。乳製品としては、ヨーグルト、チーズ、牛乳などがおすすめです。

ただし、痛風の治療には、食事療法だけでなく、医師が処方する薬や治療方針に従うことも重要です。食事療法を行う場合には、自己判断で制限するのではなく、医師や栄養士に相談するようにしましょう。