7.親がどう育てられたかが重要なポイント

家族は、同様の思考パターンを持っていることが多いものです。

しかし、子どもが認知や社会性の期待されるレベルより著しく劣っている場合は、親の認知や思考過程を、親自身の育ってきた経緯を通して振り返ってみるとよいでしょう。

つまり、親がどのように育てられたかによって、どのように自分の子どもを育てるかが決まるわけです。親は自分の経験から物ごとを考え、計画して実行することしかできないからです。

乳児は、言葉で自分の気持ちを表すことはできません。ですから、ちょっとした仕草、目つき、声の調子、行動などによって自分の要求を表現します。そうしたとき、いつも適切に対応されて育ってきた親なら、自分の子どもにも、適切に対応することができます。

しかし、自分ではうまく対応していると思っていても、子どもの反応が弱ければ、うまく育てられていないと思い、母親としての自信をなくしてアンハッピーになります。しかも、子どものハッピー度は、親のハッピー度に依存していますから、子どももアンハッピーになってしまうわけです。

そうならないために、家族(特に夫)からの理解と援助、地域社会における助け合いも、子育てにはとても大切なことです。

疲れているとき、辛いとき、お互いに声を掛け合いながら、助け合える、そんな関係が周囲の人達とうまくつくれるかどうかも、子育てには重要な要素なのです。

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