2.待つ余裕が必要なのが子育てです

人間は、いつも考えて行動しているわけではありません。

何にでも理由があるわけではありません。

理由もなく、悲しくなったり、うれしくなったり、ぼんやりしていたりすることもあります。

赤ちゃんが泣いていたら、「オムツが濡れているのかな?」「おなかが空いているのかしら?」など、「そのときの赤ちゃんの気持ちを推測して接しましょう」と育児書には書いてあると思います。

しかし、そのとき赤ちゃんのこころを推し測る自分は大人の自分です。赤ちゃん自身は、何となく亡きたかたり、何となく声を出したかったりしただけかもしれません。ですから、赤ちゃんを見た目だけで判断せずに、ちょっと待つ余裕が大切なのです。

例えば、子ども本来のリズムと、親の対応のリズムが違っていると、育っている子どもは過敏で神経質になります。通常は生後三ヶ月で安定するはずの睡眠のリズムもなかなかできなくなり、その結果、育てにくい子どもと感じるようになるのです。

さらに、おなかが空いていると思ってミルクをあげたが飲まない、抱っこしてあやしても泣きやまないとなると「そうされるのが嫌なのかな?」と親の視点で決めてしまいます。すると、抱いたり、ミルクをあげたりすることに対して臆病になり、ますますうまく接することができなくなるわけです。

そうなる前に、子どもの反応とマッチする「リズム」を身に付けましょう。このことが、生体リズムの同調につながり、睡眠・覚醒のリズムの安定、そして自律神経の安定につながり、過敏や鈍感性の少ない子どもに育つことにつながっていくのです。
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