「自分とは、いったい何なのだろう」ということから、自分探しの度は始まります。
アスペルガー症候群のことを書いた本に、オリバー・サックスの『火星からきた人類学者』という本があります。
「自分は地球人のふりをしている火星人である」
「自分とはなんだろう?」
「こころと身体は、一体どうなっているのだろうか?」
「分離しているのだろうか?」
ということをいっています。
自閉症の人の言葉に、「鏡を見て確かめることはできるような気はするが、肉体が自分なのか、精神が自分なのかという疑問がわいてきて、自分は二つあると思う」「こころが肉体を支配している。肉体はときに、いうことを聞かない」というようなことをいう人もいらっしゃいます。
自閉症はなぜ自閉するのでしょう?
「周りの人間は、すべて景色と同じだと思っていた」こんなふうにいった自閉症の人がいました。そういう考え方ならば、周囲と関わりを持つ必要はありません。「自分は一人ぼっち」ですから、自閉なのかもしれません。
また、自閉症の人たちの書いた本では、まわりの世界は刺激が多くイライラしてしまう、と表現されています。すなわち、感覚過敏があり、周りはうるさくてイヤな世界なので、自分の世界に閉じこもってしまうのだ、ともいわれています。