7.アスペルガー症候群に似た症状・行為障害(ディスプラクシア)

NVLD(非言語性学習障害)とも重なりますが、発達協調運動障害とADHDを併せ持った場合には、重度のDAMP症候群、生理学的・神経学的な運動機能障害の表出があるときには重度の行為障害も考えられます。

ときには、ADHD、強迫性障害、トゥレット障害に共通する行動も見られ、思春期になると、一過性精神病様状態、分裂病質人格障害や分裂病型人格障害とも診断されうる状態を見せることもあります。

行為障害(ディスプラクシア)とは、人が何かを行う時には、今から何をするかを知ったうえで行うことを想定し、目的に応じた身体と環境の相互作用を形成する過程を経て行っています。

すなわち、何かを行おうとしたときには、概念化から身体をどう動かすかの計画をしてから、概念化させて実行に移されます。

計画段階では、身体活動と関連があり、自発運動は緊張状態と関連しています。物事を計画し、行動に移すための発達には、身体知覚、身体図式の発達基盤があり、その基盤に感覚を統合して処理する能力が必要であると考えられています。

運動や動作がうまくできないことの根底には、触覚系・固有感覚系・前提感覚系などを統合し、処理する能力が必要であり、各感覚系が統合されて身体知覚や身体図式が確立され、体幹の安定性のもとに、四肢を巧みに使って処理できるようになります。

行為障害(失行)とは、このような考え方をもとにした種々の病因による発達過程における行動実行機能の障害で、発達過程において新奇な運動や行動を、企画する能力が停滞している状態を指しています。

次は『アスペルガー症候群に似た症状・DAMP症候群』