1.ADHDの意味を知りましょう

ADHDの子どもは、衝動的で落ち着きがなく、授業に集中できなかったり、不注意でボーッとして呼びかけられても気が付かなかったりします。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、対応策が医療や教育現場で講じられ、診断から治療、社会的対応のネットワークが構築されつつあります。

ADHDは、1947年、「多動、不器用、行動や学習の障害」によって特徴づけられる、子どもの脳障害を脳損傷児としょうしたことから始まり、「微細脳損傷」「微細脳機能障害」という表現になりました。

その後、WHOの『精神および行動の障害 第10版』では、多動性障害は「小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害」の大項目に含まれています。

この中で、「不注意」「過活動」「衝動性」を三つの主要症状とし、発症の早期性(7歳以前)、持続性(6ヶ月以上)、広汎性(複数の場面でたびたび観測されること)を強調しています。

一方、アメリカの『精神疾患の分類と診断の手引き 第4版』では、ADHD(注意欠陥・多動性障害)と称し、主要症状を「不注意」と「過活動・衝動性」に分けています。

ここでも、7歳以前の発症、6ヶ月以上の持続、複数の場面で現れ、社会面あるいは学業面の著しい障害などを付帯条件とし、PDD(広汎性発達障害)、精神統合失調症、うつ病などを除くと定められています。

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