8) 痛風発作を放置すると

痛みが治まっても治ったわけではない


痛風発作が起きて耐え難い痛みを経験しても、この痛みは2〜3日もすればピークを過ぎて和らぎ、1〜2週間もすれば治ってしまいます。このため「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の諺通り、きちんとした治療もせずに放置してしまう方が多いのです。

しかし、高尿酸血症は治ったわけではないので、痛風の発作は再び襲ってきます。

痛風や高尿酸血症の進行具合にもよりますが、治療を受けないと、半年ないしは1年後には、再び発作が起こります。

この発作を放置していると、発作と発作の間隔が短くなり、やがては発作が完治せずに炎症の名残が残っているうちに他の部位で発作が起こるようになります。これが他関節炎型の痛風発作です。

さらには、いつでもどこかの関節が炎症を起こすようになる慢性関節炎型の状態にまでなってしまいます。

こうなると、起きやすくなるのが痛風結節です。痛風になると必ず起こるものではありませんが、尿酸値がどんどん増えると関節部分以外の皮下にたまり、尿酸血症を含む瘤ができてしまうのです。体のどの部分にでもできる可能性がありますが、多くできるのは体温が低いところ、たとえば、耳、手指の関節、肘の後ろ、足のくるぶし、足指の関節などにできます。

こうした尿酸ナトリウムの結晶は腎臓の中にもでき、腎機能を侵します。また産生過剰型では尿中の尿酸が増加し、溶けにくくなりますから、尿路の中に結石を作ります。これを尿路結石といい、もし尿の通路が塞がれると腎臓にますます悪影響を及ぼし、最悪の場合は腎不全まで進行してしまいます。

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