コルヒチン〜発作防止と初期に効果
発作の初期に、これ以上症状が進展しないように服用すると効果があります。
ピリピリするなどの違和感を感じる発作の直前に服用すると、発作を未然に防ぐことも可能です。
ただし、本格的に痛む激痛期になってしまってから服用してもあまり効果はないようです。医者にかかるときは、すでに激痛期になっていることが多いので、最近はコルヒチンを使うことはほとんどありません。
発作が起こりやすい状況、たとえば尿酸降下薬を飲み始めて尿酸値が下がったときなど、発作を未然に防ぐために使われることもあります。
大量に服用すると、腹痛、下痢、嘔吐、筋痙攣などの副作用が出ることがあります。特に日本人は下痢になりやすいので、2〜3錠以上服用することはあまりありません。
炎症を抑え、痛みを軽減する抗炎症作用のある薬物を使う
痛風の発作は関節の炎症です。このため、抗炎症作用のある薬物を投与して、炎症を抑え、痛みを軽減する治療が行われます。
日本では非ステロイド性抗炎症薬(エヌセイド)が主に使われています。重症の発作の時は、副腎皮質ステロイド剤を使う場合もあります。
非ステロイド性抗炎症薬・NSAIDs〜抗炎、鎮痛、解熱効果がある
痛みや炎症の原因物質であるプロスタグランジンの産生を減少させる働きがあります。プロスタグランジンはアラキドン酸という物質からシクロオキシゲナーゼという酵素によって作られますが、この酵素の働きを阻害するのです。しかし、シクロオキシゲナーゼは、胃を守る酵素でもあるので、この薬を服用すると胃が荒れやすいという副作用があります。
この薬は激痛期に短期間に大量に使用して、痛みを半減させる短期間大量衝撃療法がとられることもあります。
たとえば、ナプロキセンの場合は、300mgを3時間ごとに3回投与します。ただし、これは1日だけで、何日も続けて行うことはできません。
関節の炎症が治まったら薬の服用は中止します。痛風に保険適応のないNSAIDsであるジクロフェナク(商品名ボルタレン)やロキソプロフェン(商品名ロキソニン)を使うこともありますが、必ず医師の指示のもとに飲んで下さい。
副作用としては胃腸障害のほかに、特に高齢者で腎障害が起きることがあります。
この場合でも、肛門の粘膜から吸収され、全身に回るので、胃を荒らすことがあります。
副腎皮質ステロイド〜強力な抗炎症作用がある
腎障害などでエヌセイドが使えない、あるいは投与しても効果がなかった場合に使われる薬です。ただ、あまり早く使うのをやめると関節炎が再発することがあるので、使用量を10日かけて徐々に減らしていく方法がとられています。
この薬は直接患部の関節に駐車する方法が取られることもあります。痛みは劇的に軽減されますが、膝や足首など大きな関節の炎症に限られます。
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