高血圧
降圧剤には尿酸値を高くするものがある
高血圧の患者さんで高尿酸血症を併発していると、心筋梗塞や脳血管障害の発症が高くなります。
このため、高尿酸血症で高血圧の患者さんは、尿酸値が下がる降圧薬を服用します。そして血圧が正常範囲内に治まった後も、心血管病のリスクが上昇する男性では7.5mg/dl、女性では6.2mg/dl以下に尿酸をコントロールしなければなりません。
降圧薬の中には尿酸値を高くする作用の薬、たとえばサイアザイド系利尿薬やβ−遮断薬などがあるので、それ以外の降圧薬を使うべきです。したがって、高血圧症治療を受診する際は、痛風・高尿酸血症があることを主治医に必ず告げとくことが必要です。ロサルタンという降圧薬は軽度ですが、血清尿酸値を下げる働きがあります。
高脂血症
高尿酸血症を起こす高脂血症のタイプとは
高脂血症にはコレステロール値が高い高コレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高中性脂肪血症などがあります。
高脂血症は、動脈硬化を促進し、脳血管障害や虚血性心疾患を引き起こします。
高脂血症では、特に高中性脂肪血症や低HDLコレステロール血症の合併が多く見られます。高中性脂肪血症の治療薬であるフェノフィブラートは尿酸排泄促進効果があり、尿酸値を下げるので合併症のある患者さんによく使われる薬です。
糖尿病
耐糖能障害のうちに生活改善をする
高尿酸血症の人には血糖値が高い人が多く、糖尿病の人には尿酸値が高い人も多いことから、糖尿病が併発しやすいのは明らかです。
ただ糖のコントロールが悪くて、血糖値が非常に高い人の場合は、尿酸値はかえって多少低くなるのが普通です。このため血糖値が非常に高い人は、痛風の発作が起こるケースはあまりないようです。なぜならば、血糖値が高くなると、尿糖の排泄が増加し、これに伴って尿酸の排泄も促進されるからです。
むしろ、糖尿病の全段階である耐糖能障害の段階で高尿酸血症による痛風発作が起きやすくなります。血中の糖が増えてインスリン濃度が高くなると、腎臓でのナトリウム排泄が低下し、これと連携するように尿酸の排泄量が低下するからだと考えられています。
高尿酸血症と糖尿病のどちらが早く発症し、どちらを合併症とするのは難しいので、まずは糖尿病の治療を優先します。