3) 痛風の検査〜尿検査〜

痛風の病型を分類する60分法とは

痛風の病型分類は尿酸クリアランスクレアチニンクリアランスの検査が行われます。医学的に使うクリアランスは排泄能力という意味になります。

本来ならば1日に排泄される全ての尿の量で測定するのですが、外来診療では実際的ではないので60分法という方法が使われます。

60分法では、検査の3日前からプリン体を多く含む食品の摂取を制限したり飲酒を禁止します。検査をする日は朝から夜まで食事は一切摂ることができません。最初に300mlの水を飲み30分が経過したところで排尿と採血をします。その後、60分間の尿をすべて採取します。

それら採尿と採血した結果を測定し尿酸産生量、尿酸クリアランス、クレアチニンクリアランスの3つを算出し、それぞれの病型に分類します。

尿酸産生量と尿酸クリアランスの値によって下記のように病型分類をおこないます。

産生過剰型

尿酸排泄量:0.51mg/kg/時以上、および尿酸クリアランス:6.2ml/分以上

排泄低下型

尿酸排泄量:0.48mg/kg/時以下、あるいは尿酸クリアランス:6.2ml/分未満

混合型

尿酸排泄量:0.51mg/kg/時以上、および尿酸クリアランス:6.2ml/分未満

60分法以外にも1回の採尿と採血で病型分類を行うスポット法という検査もあります。スポット法では尿酸値をクレアチニンで割った値が0.8以上の場合は産生過剰型、0.4以下の場合は排泄低下型と分類します。

どちらの検査方法でも病型分類をした後でも、その後の経過によって病型が変わる場合があります。治療を初めてから尿酸の値が改善されると排泄低下型が産生過剰型に変化するといった場合です。

尿路結石の有無を調べる尿沈渣

尿沈渣とは尿の中に含まれる白血球や赤血球の血液成分や尿酸血症を顕微鏡で調べる検査です。

体の中の尿酸プールから溢れた尿酸は腎臓にある尿酸を凝固させ結晶化します。この結晶が大きくなり結石になります。結石が尿とともに尿路に侵入してくると尿路結石になります。尿路結石は高尿酸血症の合併症として起こりやすい症状です。

尿酸結石が小さい間は尿と一緒に排泄されるのですが、結石が大きくなると尿管や尿道にひっかかってしまい激痛や出血を伴います。

尿沈渣を行うことで、小さい状態の尿酸の結晶が発見されたり、赤血球の数が多い場合は尿路結石の可能性が高くなります。

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