4) 痛風の診断

痛風と間違えやすい病気

一般的な痛風発作は特定の関節に激痛を伴いますが、痛風発作と同じ箇所の関節に痛みを感じて痛風かもと思わせるような病気があります。

関節リウマチ

膠原病の一種で自己免疫疾患である関節リウマチは原因が未だに特定できない難病です。発症率では男性が1に対して女性が3の割合で女性にかかりやすい病気です。痛風発作は左右どちらかの関節が痛むのが一般的ですが、関節リウマチの場合では左右対称に関節が腫れて痛みを伴います。また朝方に関節全体にこわばりがあるのも特徴です。

関節リウマチの炎症は2ヶ月以上続き、数年で関節の変形症状などがあらわれます。痛風発作は治療をしなくても2〜3日で自然に治まりますが、リウマチは治療をしない限り悪化していきます。

また、回帰性リウマチは関節の変形もなく痛みも周期的なので痛風と間違えやすい症状です。

関節リウマチか痛風かは血液検査を行うことで正確に判断できます。

変形性関節症

老化現象のひとつで関節の変形にともない痛みが発生するのが特徴です。痛風は突然痛みが現れますが変形性関節症は慢性的な痛みがあります。

指先の関節以外にも膝や腰など大きな関節に症状がでるのも特徴のひとつで関節の動きで痛みの度合いも違ってきます。

偽痛風

その他の通り痛風との違いが非常にわかりにくい病気です。カルシウムの仲間のピロリン酸カルシウムが関節の軟骨や半月板を石灰化し関節にカルシウムが蓄積してしまう病気です。この関節にたまったカルシウムを白血球が攻撃してしまうので激痛や腫れが発症します。カルシウムがたまる原因は特定されていません。

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

ブドウ球菌や連鎖球菌が皮下組織に侵入し激痛を起こす病気です。痛風発作の経験があり同じ箇所が痛む場合は風通との区別が非常に難しく、早期診断早期治療が必要です。

尿酸値も高くなく、感染ルートになる外傷が見られたり、抗生物質で痛みが緩和されたりする場合は蜂窩織炎と診断されます。

神経痛

椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、脊椎間狭窄症、変形性脊椎症などの神経痛が原因で関節に痛みを伴うので痛風と間違える場合が多い病気です。痛風のように患部が赤く腫れたり熱をもたないことで判断します。

外反母趾

女性に多く見られる病気。足の親指が内側に大きくながり親指の付け根が外に飛び出して炎症がおこります。患部が熱を持ち赤く腫れることもあるので痛風と似ているのですが痛みがすくなく尿酸値も正常です。

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