3) 栄養バランスのよい食事

1日3食を規則正しく摂り栄養バランスを取ろう


適正なカロリーを摂取していても、栄養的な偏りがあると効果的な食事療法とはなりません。また、カロリーを制限するために、炭水化物の摂取を極端に減らす人がいますが、結果的に高タンパク、高脂質の食事になりがちで、かえって生活習慣病を促進してしまうことにもなりかねません。

1日の摂取カロリーのうち、50〜60%は炭水化物から、15〜20%はタンパク質から、残りの20〜30%は脂質から摂取するのが理想的といわれています。

人間の身体はうまくできていて、体が要求する栄養素を過不足なく摂ると、必要以上に食べたいと欲求しなくなるものです。

食事ごとにきちんと栄養バランスが摂れた献立にするのが理想的ですが、1日3度の食事で調整すると考えたほうが現実的でしょう。たとえば、昼食を慌ただしくざるそば1杯で済ませたらなら、夕食にタンパク源と野菜を多めに摂って栄養バランスを調整します。また3度の食事は、規則正しく摂りたいものです。

人間に必要な五大栄養素と食物繊維とは

炭水化物、タンパク質、脂質(これらを三大栄養素という)に加えて、ビタミン、ミネラルで五大栄養素となります。近年では、その効用が注目されて、食物繊維が五大栄養素に続く「第六の栄養素」として加えることもあります。

炭水化物

炭水化物は体内でブドウ糖に変わり、酸化分解しエネルギーとして使われます。

主食になるご飯やパン、麺類の他に砂糖類などに含まれています。過食するとエネルギーとして使われなかった摂取分は体脂肪として蓄えられます。

糖尿病などを合併している場合は、砂糖や果物で炭水化物を摂るより、米などのでんぷん質を摂ったほうがゆるやかにブドウ糖に変わっていくので血糖値が安定します。

脂質

脂質は炭水化物の2倍のエネルギーがあります。体のエネルギー源としては、まず炭水化物が分解されてできる糖質を消費し、その後に脂質を燃焼させて使います。

脂質は脂溶性のビタミンA、D、Eなどを体内に取り入れるために働いたり、ホルモンや神経組織の材料となります。また、動脈硬化を抑制するビタミンEと関わって過酸化脂質の働きを抑制します。

脂質には動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸と植物性脂肪や魚油脂肪に含まれる不飽和脂肪酸の2種類があります。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の摂取量の割合は1対3が理想だとされています。高エネルギーだけに過剰摂取は大きな悪影響を及ぼします。摂取カロリーの25%以内に抑えましょう。

タンパク質

タンパク質は臓器や筋肉を構成し、免疫力を高める作用に関わる重要な栄養素です。脂質と同様に、獣肉類、魚介類、卵などに含まれる動物性タンパク質と大豆などに含まれる植物性タンパク質があります。高尿酸血症の人は、比較的タンパク質摂取量が多い傾向があるので摂り過ぎには注意しましょう。

タンパク質摂取量は1日約65g程度。肉類や魚介類以外にプリン体含有の少ない卵・大豆類からも摂るようにします。

ビタミン類

ビタミンには13種類あり、脂溶性のものと水溶性のものがあります。ビタミンの種類によってそれぞれ働きが違います。他の栄養素と関わりながら健康な体を維持する潤滑油のような役目を担っています。

一般的には野菜類・果物に多く含まれています。特に高尿酸血症の人は、尿酸値を上げない、また尿を酸性に傾けないようビタミン成分の多いアルカリ性食品をしっかり摂りましょう。

ミネラル類

ミネラルは無機質とも呼ばれ、体液や細胞に溶け込み、細胞が正常な状態になるよう調整したり、骨や血を形成する役目をします。乳製品に多く含まれるカルシウム、野菜、果物、海藻類に含まれるカリウム、ナッツなどに含まれるマグネシウム、そして塩分に含まれるナトリウムなどが代表的なミネラルです。

食物繊維

老廃物の排泄をスムーズにしたり、コレステロールの吸収を抑制する、発がん性物質など腸内有害物質を排出する、ブドウ糖の吸収を遅らせ血糖値の上昇を防ぐなど多くの働きを持っています。

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