肩・首・腰・膝の関節痛を症状別に詳しく解説

腰の障害 その2

腰椎椎間板ヘルニア

症状

ぎっくり腰のように、腰に突然激しい痛みが起こる場合と、徐々に痛みが強くなる場合があります。また、ぎっくり腰を数年前から何度も繰り返しているうちに、腰椎椎間板ヘルニアに移行するケースもあります。

腰痛に加えて下肢のしびれや痛み(坐骨神経痛)が生じます。体を動かすと痛みが強くなるため、しだいにいすなどに座っていることが多くなります。

原因

椎間板は背骨を構成する椎骨の間にある軟骨で、椎骨にかかる衝撃を吸収する役割を果たしています。

この椎間板の周辺部分(線維輪)の亀裂から、椎間板の中心部分(髄核)が飛び出して、腰髄の神経根を圧迫して痛みが生じるものです。

多くは、4番目と5番目の腰椎の間の椎間板か、5番目の腰椎と仙骨の間に起こります。

治療法

腰痛や坐骨神経痛の症状が激しい急性期は、安静にして消炎鎮痛薬や筋弛緩薬で治療にします。

慢性の痛みに対しては、温熱治療、骨盤牽引療法、腰部を安定させるための運動療法などが用いられます。

急性の痛みがとれない場合は、痛みを止める硬膜外ブロックや神経根ブロックの注射で痛みを除去します。

大部分はこうした保存療法(手術以外の治療)で軽快しますが、保存療法を3ヶ月以上行ってもしびれや疼痛が激しかったり、下肢の筋力低下などの症状がある場合は、はみ出している椎間板の髄核を除去する手術を行います。

腰部脊柱管狭窄症

症状

歩くと腰や臀部、膝から下に痛みを感じます。前かがみの姿勢になってしばらく休むと痛みが軽くなりますが、再び歩き出すと数分で下肢の痛みやしびれが強くなり、また歩けなくなります(間欠性跛行)。

座っているときや寝ているときは、痛みは生じません。

原因

脊柱管とは、頸椎から仙骨までをつなぐ管で、内部は空洞で脊髄が遠ています。腰部脊柱管には下肢へと神経が別れる脊髄馬尾神経が通っています。

脊柱管が、老化や椎間板ヘルニア、腰椎分離すべり症などで狭くなると、この神経が圧迫されて、いろいろな症状が起こってきます。

治療法

消炎鎮痛薬で痛みを和らげ、コルセットで腰を支えたり運動で腹筋を強化します。神経の周囲に直接薬を注射するブロック療法を行うこともあります。

こうした治療を続けても軽快しない場合は、神経の圧迫を取り除くために、脊柱管の一部を削り取る手術(拡大開窓術)が行われます。

手術の効果はきわめて高く、痛みはほとんど解消します。

腰椎分離症・腰椎すべり症

症状

慢性的に腰痛や腰のこわばり感があり、下肢の痛みやしびれ(坐骨神経痛)が起こることもあります。とくに、すべり症では腰痛や坐骨神経痛がひんぱんに起こります。

原因

腰椎は、丸い椎体と背中側に突き出た椎弓でできていて、上下のつながりは前方は椎間板で、後方は一対の骨の関節突起で動くしくみになっています。

この関節突起の間に疲労骨折が生じたものを腰椎分離症といいます。骨の成長が著しい小児期に、激しいスポーツをして腰に過度の負荷をかけることが原因と考えられています。

また、腰椎は前に張り出したような弓形をしていて、第4、第5腰椎の下の椎間板は前方に傾いています。そのため、腰椎分離症によって関節突起の制動がきかなくなると徐々に上の腰椎が前にすべり出してきます。これが腰椎すべり症ですが、分離症からすべり症に移行するケースはあまり多くはありません。

治療法

痛みが強いときは安静にして、消炎鎮痛薬で治療し、コルセットで腰部を固定します。

小児の分離症は、運動を控えてコルセットを装着することで、分離部分が自然に癒合する場合があります。

成人の場合は自然に癒合することは望めませんが、腰に弱点があることを承知したうえで、腰に負担をかけるような動作や運動を控えれば悪化は防げます。

すべり症の場合も保存療法が基本ですが、症状が強く下肢にまひを生じるような場合は、分離部の神経を除圧(圧迫を取り除くこと)したのちに、腰椎分離部固定術という手術が必要になります。

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