十分な睡眠をとる

十分な睡眠がとれないと、それ自体が悩みとなるだけでなく、さまざまな心身の不調が起こります。日本人の5人に1人は、不眠や睡眠についての悩みを持っている、という報告もあります。

睡眠には、深い睡眠(ノンレム睡眠)と浅い睡眠(レム睡眠)の二種類のパターンがあり、寝入りばなに深い睡眠が訪れたあと、浅い睡眠が訪れ、その後、深い睡眠と浅い睡眠が交互に3〜4回訪れて、明け方の浅い睡眠から目覚めるというのが睡眠中のリズムです。

浅い睡眠のときは夢を見やすいので、明け方に夢を見て、起きたときにその夢の内容を覚えていることがあるのも、このような睡眠リズムから説明がつきます。

更年期は、睡眠リズムが乱れる時期です。この年令になると、目覚め前のレム睡眠の時間がだんだん削られてくるようになります。その結果、朝早く目が冷めてしまう、ということが多くなります。

いろいろな心配ごとが重なって、うまく眠れず早く目が覚めてしまう、という人もいますが、目覚めが早くなるのは、老年期にむかうこの年齢の人たちに胸痛の傾向なのです。

良い睡眠をとるためのコツ

  1. 起床時間を一定にする
  2. 寝る前に、ぬるめのお湯にゆっくり入浴
  3. 軽い運動をする
  4. 寝る前に食事をしない
  5. 寝やすい寝具を
  6. 寝室は静かで暗い照明に

睡眠リズムを調整する太陽の光

うつ病の特徴的な症状の一つに「早朝覚醒」があります。朝早く目が覚めて、気分的に落ち込んだ「灰色の朝」の時間を過ごすことになります。

また、日照時間が短くなる秋から冬にかけて「うつ状態」となる「季節的感情障害」による睡眠障害も最近、注目されています。

一緒に生活している夫婦でしたら、パートナーにそんな変調があれば気がつくことと思います。

睡眠障害の治療の一つとして、蛍光灯などによる高照度の光を特定の時間浴びる「高照度光療法」が注目されています。

すぐに実行できて睡眠リズムの乱れを調整する効果をもたらすのは太陽の光です。太陽の光は、晴れた日には10万ルクス、曇の日でも1500〜2000ルクスあります。適度に陽光を浴びることは、自然の高照度光療法といえるでしょう。早起きして朝日を浴び、日中はときどき戸外で陽光に接する機会を持つようにしましょう。