体を動かす機会が少なくなった現在の私たちは、食べ過ぎないように注意し、体を動かしてエネルギー消費を心掛けないかぎり、簡単に太ってしまいます。
よく言われる、「中年太り」について、昔は、「貫禄がついてきた」と金満家のイメージでプラス氷菓される場面もありましたが、現在では、健康を害するというマイナス面が強調されます。
肥満を研究している専門家で構成されている日本肥満学会は、「肥満は今や津波のように人々を襲い、健康のみならず社会的、経済的な面で大きな負担と損失をもたらしている」と、その弊害に警告を発しています。
肥満は万病のもとと言われます。とりわけ、高血圧や糖尿病、動脈硬化など生活習慣病の引き金となることが問題視されています。肥満の人は普通の体重の人に比べて、糖尿病に約5倍なりやすく、高血圧には約3.5倍、痛風には約2.5倍、心筋梗塞・狭心症に約2倍なりやすいという調査報告もあります。
どれくらい太っているかを判定する肥満度に、以前はいろいろな計算法が用いられていましたが、現在は国際的にも普及しているBMI(ボディ・マス・インデックス)が用いられています。BMIは体重(キログラム)を身長(メートル)の二乗した数字で割り算すれば求められます。
日本肥満学会では、BMIが25以上を肥満、18.5から24.9を普通体重、18.5未満を低体重としています。
肥満している人をみると、脂肪のつき方に特徴があることがわかります。ふつうに多く見られるのが、おなかが出たタイプですが、お尻から太ももにかけて脂肪がつくタイプもあります。おなかのまわりが太るタイプにはリンゴ型肥満、お尻から太ももにかけて太るタイプを洋ナシ型肥満と呼んでいます。
リンゴ型肥満は、糖尿病・高血圧などの生活習慣病を引き起こしやすいといわれています。