神経症その3

解離性障害(解離型ヒステリー)

症状

人の心には、ある一つのまとまり(連続性)があり、そこに自分らしさが生まれます。この状態を「同一性がある」といいます。

ところが衝撃的な出来事や深刻な問題に直面すると、自分の心を分離することで対処しようとします。この状態を解離といい、次のような障害があります。

解離性健忘

不快な感情をともなう体験、たとえば、性的暴行を受けたりしたために、その一定期間の記憶が途切れてしまうものです。

解離性遁走

はなはだしい苦痛や不快な思いをしたとき、その状況から逃れるために数日から数ヶ月間失踪して、のちにその器官のことを思い出せません。

解離性同一性障害

多重人格ともいい、一人の人間に二人かそれ以上の人格が交代で出現します。それぞれが独立して活動をするため、そのときの人格がとった言動は、ほかの人格になったときにはまったく記憶がありません。

離人神経症

自分の存在がありありと感じられない、自分の体に対して現実感が失われる、外界がベールを通して見えるように非現実的に感じられるなど、意識にへだたり(疎外感)を感じるものです。

原因

幼少時に受けた心的外傷(親からの虐待や放任など)が関与していると考えられていますが、遺伝的な素質や性格にも影響を与えているようです。とくに暗示にかかりやすい傾向があり、外傷的な出来事が事実なのか、暗示によって思い込んでいるものかが問題になることがあります。

治療法

精神分析的精神療法を主体に、抗不安薬や抗うつ薬、抗精神病薬などが、対症療法的に併用されます。

転換性障害(転換型ヒステリー)

症状

体に異常がないにもかかわらず、運動機能や感覚機能に異常をきたす障害です。心理的な苦痛を体の症状に置き換える(転換)ことで対処しようとするもので、症状は多岐にわたります。

脱力のために立てない(失立)、歩けない(失歩)、声が出なくなる(失声)などの運動障害や、手袋をする部分に異常を感じる知覚障害、螺旋状に視野が狭まるなどの視覚障害、下腹部から球のようなものがこみ上げてのどに詰まる感じがする(ヒステリー球)感覚障害などがあります。

このような症状は、ほかに注意が向いている間は消えることがあり、症状に一貫性がないという特徴があります。

原因

まだ不明点が多いのですが、解離性障害と同様のことが考えられています。

治療法

精神分析的精神療法や行動療法が中心になります。これに抗不安薬や抗うつ薬、抗精神病薬などが、対症療法的に併用されます。

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