スキンケアは予防医学であるという考え方

美容液の登場以来、ここ数十年で、化粧品の性能は飛躍的に進歩してきました。最先端の研究によって発見された新成分や、化粧品への配合は困難だと思われていた成分の導入など、次々発売される新製品は話題に事欠きません。老化防止、美白、敏感肌用などの機能と並んで、大人ニキビ対策という新機能化粧品も登場しはじめました。

そして、適切な化粧品を用いたスキンケアは、治療の補助手段として、さらに悪化防止策として、重要な役割を果たせるものになってきました。薬ほどの強い効果がなくても、スキンケアには、家で毎日とる食事のように、肌の状態に応じて自分でさじ加減できる安心感があります。自分に合った化粧品とスキンケア法を見つけることは、食事で病気を予防することと同じく、肌の予防医学になりうるのです。

ケミカルピーリングの効用

グリコール酸、サリチル酸、トリクロル酢酸、フェノールなどの薬液を塗布して、皮膚を表面から科学的に融解し、その後の創傷治癒やそれに伴う炎症反応によって皮膚の再生を促す治療法です。

角質のみを剥がす最浅層ピーリングは安全性が高く、毛穴の目詰りを取り除くことでコメドに対して有効とされています。実際、2001年に作成された「日本皮膚科学会ケミカルピーリグガイドライン」で、ニキビが適応症のトップにあげられています。

ケミカルピーリグは、強い酸性の薬液を用いる治療法なので、施術後にしっかり紫外線ケアをするなどの注意点もあります。必ず医師のいる病院に行き、きちんと説明を聞いたうえで施術を受けることが大切です。