年齢による心配いらない物忘れと病気の部分症状としての物忘れ

しまい忘れや置き忘れなどの物忘れの原因として、病気の部分症状としての物忘れ(病的物忘れ)と年齢に伴う心配いらない物忘れ(良性の物忘れ)の2つが考えれます。

病的な物忘れは、アルツハイマー病あるいは脳血管性認知症など、認知症を生じる疾患の部分症状としてみられるものです。年齢に伴う心配いらない物忘れは、加齢あるいは老化に従ってみられてくる生理的な状態です。つまり、誰にでもみられるものなのです。

アルツハイマー病と年齢に伴う心配いらない物忘れの最も大きな違いは、物忘れが進行・悪化してくか否かです。アルツハイマー病でみられる物忘れは、経過につれて状態や頻度が必ず進行・悪化していきます。3年前より1年前、1年前より現在のほうが明らかに進行していきます。一方、年齢に伴う心配いらない物忘れでは、何年経っても人や物の名前が出てこない、うっかりした物忘れのままで症状は悪化していきません。

アルツハイマー病は昔の記憶にも障害を及ぼす

アルツハイマー病では、経験したこと全体を忘れてしまうことが多くみられます。たとえば、1ヶ月前に入院したこと、1週間前に家族旅行に出かけたことなどを忘れてしまいます。初期には直前の記憶があやふやになり、進行すると最近の記憶に障害がみられ、さらに進むと昔の記憶も障害を受けてきます。昔のことはよく覚えているから心配いらないと考えている方がいますが、それは誤りです。アルツハイマー病では、症状が進行すると自分の生まれた場所や卒業した学校も忘れてしまうのです。

年齢に伴う心配いらない物忘れでは、経験したことの一部、あるいは細部を思い出せないことが多いのです。1ヶ月前に入院したことは覚えているが何階の病棟に入院したのか思い出せない、旅行に行ったことは覚えているが旅館の名前を思い出せないなどです。ヒントを与えるとしばしば思い出せることも、特徴のひとつです。

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