認知症予防のために日常生活で注意すること

アルツハイマー病でみられる症状

いろいろな症状が時期を変え出没する

アルツハイマー病では、多様な症状がみられることが特徴です。

記憶障害

アルツハイマー病で必ずみられる症状は物忘れ(記憶障害)です。しまい忘れや置き忘れ、言われたことを忘れてしまう、食事をしたことを忘れて再び食べようとするなど、記憶に関連した症状が必ずみられます。直近の記憶から障害がみられ始め、段々昔のことを思い出せなくなっていきます。また、新しいことを覚え込むことも困難になります。

見当識障害

私たちは、時間や場所などを認識しながら生活しています。たとえば、今日は月曜日だから習字の教室がある日だと考えて外出します。しかしアルツハイマー病になると曜日の把握ができなくなるため、習字の教室がある月曜日ではない曜日に出かけようとします。日時や曜日を家族に何回も尋ねてくるのは、見当識に障害がみられるからです。また、場所に対する認識にも混乱がみられ、迷子になることもあります。

アルツハイマー病では、日時や場所がわからないことが初発症状になることもしばしばあります。アルツハイマー病がさらに進むと、家族や知っているはずの人たちの顔がわからなくなります。

計算障害

金銭の取り扱いを含めた計算に支障がみられてきます。たとえば、買い物でお金の計算が出来なくなることがあります。アルツハイマー病に進展した患者さんでは、少額の買い物のときにも1万円札を使用する傾向がみられます。小銭を扱うことが困難になるからです。

実行機能障害

日常生活上の実行機能に支障がみられることも大きな特徴です。たとえば、使い慣れた洗濯機の使い方にとまどう、新たに購入した炊飯器の使い方を覚えられない、バスや電車の切符の買い方が分からない、いつもの料理ができないなど、日常生活で今まで容易にできたことができなくなってくる、戸惑うことが多くなる、手助けを頻繁に求めるようになります。

判断力の低下

季節に合った衣服を選ぶことができない、適切な買い物ができない(何を買ったらよいか分からない)、夕ごはんのおかずを何にするか決められないなど、日常生活で必要な判断を適切に下すことができなくなってきます。また、社会的な事柄に関する判断にも支障がみられてきます。本来ならば不要な品物であるとわかるはずなのに、効果な羽毛布団の購入契約を結んでしまうなど、訪問セールスや悪徳商法にだまされるのは、この判断力の低下が一因になっているからです。

自発性の低下

自発性の低下や意欲の減退もみられます。洗面や入浴、着衣などを自分で行わなくなります。外出したがらず、1日中テレビの前でぼんやり座っていることが多くなります。知人との付き合いを避ける、以前から日課としている趣味やお稽古事に出かけなくなることもあります。

関心・興味の障害

趣味や周囲への関心も低下してきます。自分から進んでテレビや本をみなくなります。同居家族が一緒に食事をしているときにも、家族の会話に関心や興味を示さない場合が多くなってきます。

感情障害

日常生活で喜怒哀楽が乏しい、無表情なことが多い、些細なことでいらいらする、怒り出す、怒りっぽくなってきたなどのように、感情面での変化がしばしばみられる症状です。喜怒哀楽が乏しいのと対照的に、突然はしゃいだり、急に黙りこんだりして感情が一定しない、自分の感情をコントロールできないこともしばしばあります。

このようにアルツハイマー病では様々な症状がみられてきますが、この病気に特有な症状はありません。いろいろな症状が時期を変え出没するのがアルツハイマー病の特徴といえます。

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