認知症予防のために日常生活で注意すること

アルツハイマー病とはどのような病気か?

アルツハイマー病の特徴

アルツハイマー病は、脳の神経細胞がなんらかの原因によって壊れる(医学的には壊死と呼ばれます)ことから生じる病気です。

アルツハイマー病は、40歳から90歳の間で発症しますが、年齢が進むに従ってアルツハイマー病に罹患(りかん)する危険性は高くなっていきます。60代よりも70代、70代よりも80代と年齢が進むに従いアルツハイマー患者さんは増えていくのです。

物忘れ(医学的には記憶障害と呼ばれます)で発症することが多く、経過に伴い物忘れが進行・悪化していきます。3年前より1年前、1年前より現在のほうが物忘れの状態や頻度は必ず進行・悪化します。物忘れの状態が何年経っても進行・悪化しない場合には、年齢に伴う心配いらない物忘れ(良性の物忘れ)の可能性が高くなります。

物忘れがみられるだけではアルツハイマー病とは診断できません。アルツハイマー病では、物忘れ以外に日時や季節がわからない、買い物でお金の計算ができない、外出すると迷子になって自宅に戻れない、季節に合った衣服を選べない、新しく買った洗濯機の使い方を覚えられないなど、物忘れ以外の領域でひとつ以上の支障がみられることが必要です。

周囲の人が受診を促すことが重要

高血圧や糖尿病などと異なっているアルツハイマー病では、自分が病位になっているという認識(医学的には病識といいます)が欠ける、あるいは乏しいことが特徴のひとつです。周囲の人たちは、おかしなことをしているな、とんちんかんなことを言っているなと感じていますが、患者さん自身は、今までのようになんでも自分で行える、自分は正しいことを行っている、言っている、と思っています。

したがって、患者さん自ら物忘れを心配し、専門医療機関を受診することは皆無です。家族や周囲の人たちが患者さんの異変に早期に気付き、医療機関への受診を促すことが大切になります。また、患者さん自身の病識が乏しいことを介護する家族や周囲の人たちが理解したうえで対応することが求められるのです。

介護をするうえで長所となる症状

首から下の症状、たとえば、歩行障害や手の使いにくさ、動作緩慢などの運動障害は、末期に至らないと出現してきません。この特徴は、ある意味では介護をするうえで長所になります。たとえば、患者さんの病気が進行し、入浴時に体の洗い方が分からなくなっても、周囲の人が上手に対応し体を洗ってあげれば在宅での生活を継続できます。反対に、脳血管障害で半身麻痺が高度の患者さんでは、自宅で入浴させようとしても、高齢の配偶者だけでは身体介護を十分に行うことが困難になります。

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