レビー小体型認知症患者さんへの対応の注意点

レビー小体型認知症患者さんと接するときに気をつけるべきこと

症状に動揺性がみられることを理解して対応する

レビー小体型認知症の最も大きな特徴は、症状に動揺性がみられることです。そのため、認知症状あるいはパーキンソン症状が日によってあるいは1日のなかでも大きく変動、動揺することを念頭に置いた対応が求められます。起床時や昼寝の後に、症状がとても悪化することがあります。とくにパーキンソン症状が悪化しているときには、日常生活で介助量が増大することが多いのです。一方、症状が好転しているときには介助が少なくなるはずです。症状の推移を注意深く観察しながら介護を進めてください。

薬剤への過敏性に注意する

この患者さんは、薬剤に過敏性を示すことも忘れないようにしてください。レビー小体型認知症では、幻覚や妄想を改善させる抗精神病薬ばかりでなく、睡眠薬や抗不安薬などでも症状が急激に悪化する場合があります。そのため、新しく薬剤を服用する際には、十分な注意が必要になります。症状が悪化する際には、主治医に迅速に相談することが大切です。

幻視などを頭から否定しない

幻視を訴える患者さんに対して、幻視の存在を否定する対応は不適切です。患者さんは、実際にみえると思っています。その患者さんに対して、「そんなものがみえるはずがない。あなたのまちがいだ」などと言って頭から患者さんの訴えを否定すると、患者さんは、「自分の言うことを家族は信じてくれない」「自分はバカにされている」と考えてしまいます。

患者さんの訴えに対しては、肯定的に受け入れる、傾聴するタイドをとってください。患者さんが「見知らぬ人や動物がみえてこわい、恐ろしい」と訴えるときには、「あの人は悪いことをしませんよ。そのうちどこかに行ってしまうので心配らないですよ。それまでこちらの部屋で待っていましょう」などと優しく声掛けを行うことが上手な対応策です。

転倒に注意する

パーキンソン症状などが原因で転びやすくなることに注意してください。外出などの際には、家族が一緒に出かけて転倒しないように手助けをすることが大切です。

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