在宅での介護サービスをどのように利用したらいいか?

各種介護を上手に組み合わせる

認知症患者さんを在宅で介護する際、訪問ヘルパーを通所介護(デイサービス)、短期入所(ショートステイ)を上手に組み合わせながら進めていくとよいと思います。家族だけの介護には限界があり、また家族ではどうしても感情的な対応をとってしまうことがあります。長期に及ぶ介護は、家族の身体的負担や精神的ストレスを増大させます。

まず、通所介護(デイサービス)あるいは通所リハビリテーション(デイケア)を週1回から利用するようにします。患者さんの状況や家族の都合などによって利用する回数を増やしていきます。

短期入所の利用

デイサービスに慣れてきた頃、家族が日々の介護に疲れてしまうこともあります。急な冠婚葬祭などで家族が短期間家を留守にする事態も想定されます。そのような場合、最寄りの施設への短期入所(ショートステイ)を利用すると便利です。数日から数週間施設に入所し、食事や入浴など生活上の援助をしてもらい、身体機能の維持や回復などを行います。患者さんがショートステイを利用している間、家族は介護の負担から離れることができ、身体的疲労の回復や精神的ストレスの軽減がはかれます。介護する家族のリフレッシュも大切なことです。

主にデイサービスを利用し、月に数回ショートステイを利用する介護が最もオーソドックスな方法です。訪問ヘルパーなどを利用して訪問介護を行うとよいかもしれません。週1回でも他人と交わることで、患者さんの気持ちの刺激になることが期待されます。

訪問入浴サービスの利用

片麻痺などの運動障害が目立ち、家族だけでは入浴介助が困難な場合、訪問入浴サービスを利用します。業者が患者さん宅に簡易浴槽を持ち込んで、自宅内で入浴介護を受けることができるサービスです。

身体疾患などが原因で寝たきりの患者さんあるいは医学的な管理が必要な患者さん、経管栄養や胃ろう、膀胱留意カテーテルなどが挿入されている患者さんには、看護師が自宅を訪問する訪問看護の利用をお勧めします。運動機能の維持を目的とする訪問リハビリテーションとともに利用するとよいでしょう。

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