認知症と診断された後、家族が行うこと

認知症と診断された後にやるべきこと

家族の一員が認知症と診断された後、家族が行っておくべきことをまとめてみます。

介護に関するそれぞれの役割分担を決める

家族全員で介護を行うことが原則ですが、その中でもそれぞれが関わる分担を決めておくことが必要です。日中、仕事で介護できない家族は、休みの日には、普段介護している家族と交替するなどの進め方で、介護に関わるようにしたいものです。

介護保険の認定をあらかじめ受ける

すぐに公的サービスを受ける必要がない場合でも、介護保険の認定申請をしておきます。予想外の事態や介護する家族の入院などが生じた際、迅速にショートステイなどを利用するためには、介護認定をあらかじめ受けておくことが必要だからです。住民票のある市区町村役所で介護認定の申請を行ってください。

近くの介護施設、介護サービスの情報を収集する

診断後にデイサービスやショートステイなどを利用したいとき、利用の仕方や近くにどのような施設があるのかを知っておくと便利です。大学病院や総合病院などには医療ソーシャルワーカー(医療相談室など)が常在していることが多いので、利用できる介護の種類や実務を取り仕切ってくれるケアマネージャーなどについて聞いてみると良いと思います。医院やクリニックで診断された場合、認知症を専門とされない先生方も多いことから、近くに地域包括支援センター社会福祉協議会などに問い合わせるとよいでしょう。

親身に相談に乗ってくれるかかりつけ医の先生をみつける

大学病院や総合病院で認知症と診断されたあと、地元の医療機関を紹介される場合が多いと思います。かかりつけ医として、患者さんや家族の訴えや困ったことを十分聞いてくれ、患者さんが示す行動障害や精神症状に対して適切なアドバイスをしてくれる医師を探すことが大切です。

薬の管理は患者さんだけに任せず、家族が関わる

患者さんだけに薬の管理を任せると、飲み忘れや飲み違いなど多くの支障がみられます。認知症の薬だけでなく、身体疾患に対する治療薬すべての管理を家族が中心となって行うようにしてください。

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