早期発見のために注意すべき症状とは
認知症を起こす原因疾患として最も多くみられうのがアルツハイマー病です。アルツハイマー病を早期に発見するために見逃してはならない症状は以下の4つです。
物忘れ(記憶障害)
アルツハイマー病でみられる基本的な症状は物忘れです。医学的に記憶障害と呼ばれています。アルツハイマー病では、物忘れが必ずみられることが原則です。置き忘れやしまい忘れ、同じことを何回も言うあるいは聞いてくる、頼まれたことを忘れる、前日言われた大切なことを翌日にはまったく覚えていないなどの症状がみられるときには、アルツハイマー病の可能性が考えられます。
日時に対する認識が混乱する
日付を何回も聞いてくる、出かける日時を何回も確認するなど、アルツハイマー病になると日時に対する認識が混乱してきます。医学的には、ときに対する見当識障害と呼ばれる状態です。何回も日時を訪ねてくるときには、アルツハイマー病の可能性を考えます。
怒りっぽくなる(易怒性)
アルツハイマー病になると、怒りっぽくなることも特徴のひとつです。日常生活で些細なことですぐ怒る、周囲の人がちょと注意するとものすごい剣幕で怒り出すなど、以前と比べて怒りっぽい状態が目立つときにはアルツハイマー病の可能性が考えられます。
自発性の低下、意欲の減退
日常生活で今まで行なってきたことに対して意欲がなくなる、自発的に行動しなくなることもアルツハイマー病の初期からしばしばみられるものです。たとえば、長年慣れ親しんできたお稽古事や趣味に関心がなくなる、出かけるのを億劫がる、1日中テレビを眺めている、友人との付き合いをしたがらない、家でウトウトしていることが多いなどのように自発性の低下や意欲の減退がみられ始めた際には、アルツハイマー病が進んでいる可能性が高いといえます。
アルツハイマー病は、知らない間に徐々に発症してくる病気です。物忘れをはじめとするこれらの症状が1年前より現在のほうが進んでいる際には、アルツハイマー病を発症しているかもしれません。また、患者さんの生活状況をよく知る家族が、「あれ、おかしいな」「以前とちがって何か変だな」「どうしたのだろうか」と感じ始めたときには、アルツハイマー病を発症している可能性があります。
このようなときには、早めにかかりつけ医の先生に相談するか、あるいは認知症診療の専門医療機関を受診されることをお勧めします。
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