日常生活での行動の変化に注意する

注意すべき日常生活での行動の変化とは

目的のない行動がみられる

軽度アルツハイマー病患者さんの約半数で、財布やバッグの中身を何回も確認する、玄関を出たり入ったりする、タンスの衣服を出したりしまったりするなど、目的のない行動の繰り返しがみられます。

不適切な行動がみられる

日常生活で適切でない行動もアルツハイマー病の初期からしばしばみられます。たとえば、買い物で同じものを何回も買ってくる、冷蔵庫に同じ食材がたくさん貯蔵されている、使い慣れた食器を元の場所に戻せないなど、今までできたことができなくなる、適切でない行動が頻繁にみられる際には要注意です。

予定に対する不安や確認行動が多くなる

出かける時間を何回も尋ねる、出かける予定の数時間前から玄関先で待っているあるいは落ち着かないなど、決まった出来事や予定に対して何回も尋ねる不安症状がみられます。今まで自力でできていたことに対して、周囲の人たちに行動の是非をいちいち確認することもあります。「これでよかったかね?」「こうするんだったよね?」と尋ねています。患者さんは、1人で行動することに対して自信がなくなってきているのです。

この他にも、些細なことで他人を疑うあるいは疑り深くなってきた、自分勝手な行動が多くなってきた、料理の味が濃くなった、自動車を運転する際に自損事故がしばしばみられるようになったなど、今までと異なる行動の変化がみられるときには、アルツハイマー病の可能性を考えて専門医療機関を受診するほうがよいでしょう。

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