早期発見のために受診する医療機関

まずは物忘れ外来を探す

認知症が疑われるときには、まず、近くに「物忘れ外来」を標榜する医療機関があるならば、そこを受診するとよいでしょう。物忘れ外来を標榜するからには、認知症診療に関心をもつ医師が診療している可能性が高いからです。「物忘れ外来」「認知症外来」などをキーワードにしてインターネットなどで検索をすると、物忘れ外来を開設する最寄りの病院や医院がみつかるかもしれません。

認知症診療を専門としているのか否かが受診の判断基準

近所に物忘れ外来を標榜する医療機関がなくとも、神経内科を含めた内科あるいは老年科、精神神経科で認知症診療を行っている場合が多くあります。最近は、脳神経外科でも認知症を診療しようと考えている医師がみられ始めています。

注意すべきことは、必ずしもこれらの診療所のすべてが認知症診療に関心をもっているわけではないということです。たとえば、神経内科でも診療の専門領域が脊髄小脳変性症やパーキンソン病などの神経変性疾患であり、認知症に関心をもっていない医師も数多く見られます。「認知症かな」と考えると、すぐに精神神経科が頭に浮かぶかもしれません。けれども、たとえ精神神経科であっても、専門が統合失調症あるいはうつ病であって、認知症に関心をもっていない医師が多くみられます。診療科名に惑わされるのではなく、そのこの医師が認知症診療を専門としているのか否かが受診の判断基準になるのです。

最近は、地域の医師会で認知症を診療する医師リストを公開している場合もあるので、かかりつけの医院・クリニックで尋ねるといいかもしれません。

また、近くに認知症患者さんを抱える家族がいるならば、その方にどこを受診したらよいか尋ねるのもよいと思います。患者さんや家族からの口コミが、信頼できる医療機関をみつけることができる最善の方法ではないかと思います。

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