抑うつ状態を示したときに服用する薬

抑うつ状態にしばしば使用する抗うつ薬

認知症では、経過中に抑うつ状態を示すことがしばしばあります。抑うつ状態に対しては、現在副作用の少ない選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRI)あるいはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬SNRI)が多く使用されます。薬剤の詳しい作用などについては省略しますが、これらの薬剤が効果を示す場合があるので、一度は服薬を試みるとよいと思います。

208年3月の段階でわが国で使用できるSSRIは、塩酸パロキセチン(商品名:パキシル)とフルボキサミン(商品名:デプロメールルボックス)、セルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)の3種類です。SNRIにはミルナシプラン(商品名:トレドミン)があります。

いずれの薬剤も従来の抗うつ薬と比べて副作用が少ないため、高齢者でも比較的安心して服薬できると思います。ミルナシプランは、排尿障害を起こすことがあるので、男性高齢者では使用に注意が必要です。

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