精神症状

やる気がでないなど半数の人にうつ症状がでる

パーキンソン病の症状が進むと周囲のことや物事に無関心になったり、注意力が散漫になったり、記憶力が低下したりすることもあります。元気がない、何だかやる気がでない、気力がなくなると感じることもあるでしょう。

こうした精神症状はパーキンソン病の患者さんの半分ぐらいにでるといわれています。パーキンソン病で精神症状が出るのは、パーキンソン病の原因である黒質の神経細胞の変性と関係して、脳内で何らかの障害が出ているせいなのかもしれません。また、パーキンソン病という病気に対する不安や心配から、こうした精神症状が出ている可能性があります。

人によっては不眠や、実際には見えないものが見える幻視を訴える人もいます。

以前は、「パーキンソン病は認知症につながる病気ではない」とされてきましたが、研究によって、最近は認知症や認知機能の低下とパーキンソン病は無関係ではないと考えられるようになりました。

抗うつ剤を服用し続けるとドーパミンが減ってしまう

パーキンソン病になると、まばたきの回数が減ったり、表情がとぼしくなるなど、うつ病と似たような症状が出るため、うつ病と間違えられることも珍しくありません。ドーパミンが減ってアセチルコリンが増えるので、うつのような症状が出やすいのです。

実際はパーキンソン病なのに、精神科を受診して、うつ病と診断されてしまうと、抗うつ剤を処方されたりして大変です。抗鬱剤はドーパミンを減らす作用があるのです。

パーキンソン病によるうつ症状をうつ病と間違って抗うつ剤を使い続けると、いつまでたってもパーキンソン病が治らない、ということになりかねません。
次の『病気の進行』へ