症状
初期の段階では自覚症状はありません。尿検査で肉眼ではわからない血尿が確認されます。進行すると、側腹部に疼痛を感じ、手で触ると腫瘤(コブ状のもの)も認められます。血尿も肉眼でわかるようになり、発熱や貧血なども起こります。
原因
成人の場合は、尿細管上皮から発生する腎細胞がんが最も多く、腎臓がんの9割を占めます。
そのほか、腎盂や腎杯から発生する腎盂がんがあります。腎盂がんの発病には、喫煙がかかわっていると考えられています。
子どもの場合は、ウイルス腫瘍(腎芽細胞腫)が大半を占めます。これは胎生期の組織から発生するがんで、ほとんどが5歳ごろまでに発病します。
治療法
基本的な治療法は摘出手術です。腎細胞がんでは、がんが発生した腎臓とともに周囲の脂肪組織や副腎、リンパ節も摘出します。
最近では、進行した症例には免疫療法(インターフェロンやインターロイキンなど)も行われます。
腎盂がんは、尿管や膀胱にもがんが発生することがあるため、尿管の摘出や膀胱の一部を切除する手術も行います。
進行例では、抗悪性腫瘍薬や放射線療法が用いられることもあります。
ウイルス腫瘍は放射線療法の効果が高く、有効な抗悪性腫瘍薬も開発されたことから、摘出手術の前後に放射線療法と薬物療法を併用することが多くなっています。