症状
ほこりやカビ、化学物質などを吸い込んだことで起こる、アレルギー性の肺炎です。
原因物質を大量に吸い込んで6〜8時間後に症状が現れる急性型、非確定少量を数ヶ月間吸引した結果現れる亜急型、すうねんたってから発症する慢性型があります。いずれも症状は共通しており、発熱、咳、呼吸困難、疲労感、体重減少などで、重症の場合は血痰や胸痛、動悸などがみられることもあります。
原因
過敏性肺炎には、環境や職業、地域性などがかかわっており、いくつかのタイプに分類されます。なかでも日本人に多いのは次の4つです。
夏型過敏性肺炎(約75%)
慢性型で、高温多湿の夏季に多く発症します。日当たりや風通しの悪い家屋に増殖する、トリコスポロンというカビが病原体です。
農夫肺(約8%)
急性型と慢性型の両方がみられます。牛の資料にする干し草に生えるカビが原因とされ、主に北海道や東北の酪農家にみられます。
空調病・加湿器病(約4%)
空調装置(エアコン)や加湿器の水あるいはフィルターに繁殖したカビが病原体で、ゆっくりした経過をたどる慢性型です。
鳥飼病・愛鳥家病(約4%)
インコやハト、鶏などの排泄物が乾燥して粉末状になったものを吸い込むことで発症します。鳥をペットとし飼っている人や養鶏業者などにみられます。
治療法
どのタイプでも、まず、病原物質を特定し、それを除去するか、隔離することで症状が治まります。急性型で重症の場合は、副腎皮質ステロイド薬の服用が有効です。
病状がいったん治まっても、再び原因物質に接触すれば、さらに深刻な症状を引き起こし、ひどいときは肺線維症を誘発して呼吸不全におちいることもあります。室内の換気をよくし、空調装置の清掃やフィルター交換をまめに行うなどの対応が、再発予防になります。