伝染性紅斑(りんご病)の原因と症状

伝染性紅斑とは

伝染性紅斑(でんせんせいこうはん、英: fifth disease)は、ウイルス感染症の一つで、主に子どもに発症する疾患です。ウイルスは、人類に特異的なパルボウイルスB19で、感染力は高く、空気感染や飛沫感染によって広がります。

伝染性紅斑は、発熱や頭痛、のどの痛みなどの症状が現れた後、しばらくして赤い発疹が全身に現れます。発疹は頬から始まり、次に上肢、下肢に広がっていく特徴があります。発疹はしばらくの間、続き、その後自然に消えていきます。

伝染性紅斑は、一般的に自己制限的であり、通常2週間以内に完全に回復することが多いです。しかし、妊婦や免疫力の低下した人にとっては、重篤な合併症を引き起こすことがあります。また、妊婦が初期に感染した場合、胎児に影響を及ぼすことがあるため、注意が必要です。

伝染性紅斑の症状

伝染性紅斑の症状は、以下のようになります。
  • 発熱
  • 頭痛
  • のどの痛み
  • 鼻づまり、鼻水
  • 疲れやだるさ
  • 赤い発疹(頬から始まり、上肢、下肢に広がる)

発疹は、初期には顔の両頬に現れ、頬が紅潮して「スラップチーク」と呼ばれる特徴的な症状が現れます。その後、腕、脚、体幹にも赤い発疹が広がります。発疹はしばらくの間続き、その後自然に消えていきます。

伝染性紅斑は、通常は自己制限的な病気であり、2週間以内には症状が消失することが多いです。しかし、妊婦や免疫力の低下した人は、合併症を引き起こすことがあるため、注意が必要です。

伝染性紅斑の原因

伝染性紅斑の原因は、パルボウイルスB19というウイルスです。このウイルスは、感染力が高く、空気感染や飛沫感染によって広がります。

感染した人が咳やくしゃみをすると、ウイルスを含んだ飛沫が空気中に放出され、その空気中にいる別の人がそれを吸い込むことで感染が広がります。また、感染した人の血液や唾液にもウイルスが含まれるため、接触感染によっても広がります。

伝染性紅斑は、主に子どもに感染する疾患ですが、大人でも感染することがあります。また、一度感染すると、その後は免疫を獲得するため、再感染することはほとんどありません。

伝染性紅斑の治療法

伝染性紅斑は、通常は自己制限的な病気であり、特別な治療は必要ありません。症状が出た場合には、以下のような治療が行われます。
  • 熱がある場合には、解熱剤を使用することがあります。
  • 発疹がかゆい場合には、かゆみ止めの薬を使用することがあります。
  • 充分な休息と水分補給が必要です。
  • 妊婦や免疫力の低下した人には、病気が重症化する場合があるため、医師の指示に従う必要があります。

なお、伝染性紅斑に感染した場合でも、普段通りの生活を継続することができますが、感染拡大を防ぐために、学校や職場などでの感染予防策に従う必要があります。また、妊婦が感染した場合は、医師に相談することが重要です。

伝染性紅斑と診断されたら

伝染性紅斑と診断された場合、以下のような注意点があります。
  1. 感染拡大防止

伝染性紅斑は、空気感染や飛沫感染によって広がるため、感染拡大を防ぐためには、以下の予防策が重要です。

  • 咳やくしゃみの際には、マスクを着用する。
  • 手洗いを頻繁に行う。
  • 発疹が出ている場合は、学校や職場に行かない。
  • 症状が出てから1週間ほどは、人との接触を控える。
  1. 症状の対処

発熱やかゆみなどの症状に対して、適切な治療を行います。熱が出ている場合には、解熱剤を使用することがあります。また、かゆみが強い場合には、かゆみ止めの薬を使用することがあります。

  1. 医師の指示に従う

妊婦や免疫力の低下した人には、病気が重症化する場合があるため、医師の指示に従うことが重要です。また、症状が長期間続く場合や、合併症が発生した場合には、医師に相談する必要があります。

  1. 再感染に注意する

一度伝染性紅斑に感染した場合は、再感染することはほとんどありませんが、稀に再感染することもあります。再感染した場合でも、通常は軽症化する傾向にあるため、大きな心配はありませんが、症状が出た場合には、早めに医師に相談する必要があります。