急性化膿性甲状腺炎の原因と症状

急性化膿性甲状腺炎とは

急性化膿性甲状腺炎は、甲状腺の細菌感染によって引き起こされる炎症の一種で、一般的には「甲状腺の膿瘍」と呼ばれます。主な症状には、喉の痛み、腫れ、赤み、発熱、全身倦怠感などがあります。また、甲状腺の膨張や圧痛、触れると痛みを感じることもあります。

この疾患は通常、細菌感染によって引き起こされますが、細菌が甲状腺に感染する理由はわかっていません。一般的には、免疫力が低下している人や、口腔内の感染が甲状腺に広がった人に起こりやすいとされています。

急性化膿性甲状腺炎は、早期に診断・治療しないと合併症を引き起こす可能性があります。治療は、抗生物質や炎症を抑える薬などの薬物療法が中心となり、場合によっては手術が必要となることもあります。

急性化膿性甲状腺炎の症状

急性化膿性甲状腺炎の症状には、以下のようなものがあります。
  • 喉の痛みや腫れ:喉の前方にある甲状腺が腫れるため、喉の痛みや圧迫感、腫れが生じることがあります。
  • 発熱:体温が上昇することがあります。
  • 全身倦怠感:体がだるく、疲れやすくなることがあります。
  • 頸部の腫れや赤み:甲状腺が腫れているため、首の前方に腫れや赤みが生じることがあります。
  • 嚥下困難:甲状腺の腫れが喉を圧迫して嚥下が困難になることがあります。
  • 声のかすれ:喉に圧迫がかかって声がかすれることがあります。
  • 甲状腺の圧痛:甲状腺が触れると痛みを感じることがあります。

これらの症状がある場合は、早期に医療機関を受診することが重要です。

急性化膿性甲状腺炎の原因

急性化膿性甲状腺炎の原因は、一般的には細菌感染によるものです。しかし、細菌が甲状腺に感染する原因は明確ではありません。

一般的に、喉頭や喉嚢の感染、歯周病、口腔内の感染、手術後などが原因とされています。また、免疫力の低下がある場合にも発症しやすくなります。

特に、慢性甲状腺炎を患っている人や、放射線治療を受けた人、あるいは甲状腺が傷ついたり、圧迫されたりすることで甲状腺の機能が低下している人は、感染症を発症しやすいとされています。

甲状腺炎は感染症であるため、感染予防のためには、適切な手洗いやうがいを行い、免疫力を高めることが重要です。また、口腔内の清潔を保つことも予防に役立ちます。

急性化膿性甲状腺炎の治療法

急性化膿性甲状腺炎の治療法には、主に以下のような方法があります。
  1. 抗生物質の投与:甲状腺に感染を引き起こす細菌を殺菌するために、抗生物質が使用されます。
  2. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用:痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が使用されます。
  3. シロップや液体食の摂取:甲状腺の腫れや喉の腫れがある場合、食事や水分の摂取が困難になることがあります。この場合、シロップや液体食を摂取することが推奨されます。
  4. 手術:進行した場合や抗生物質治療が効果的でない場合は、手術が必要になることがあります。

治療に加えて、安静にして体を休めることや、適度な水分補給をすることも重要です。また、熱を下げるために、冷却シートや氷袋などの方法を用いることもあります。

急性化膿性甲状腺炎は、早期に適切な治療を行わないと重篤な合併症を引き起こすことがあるため、症状が出た場合は速やかに医師の診察を受けることが必要です。