斜視の原因と症状

斜視とは

斜視(しゃし)は、両目の視線が正しく合わず、異なる方向を向いてしまう状態を指します。斜視には、常に片方の目が斜視している「常斜視」と、疲れやストレスなどで斜視になる「弱視」という2つのタイプがあります。斜視は、目の筋肉や神経の異常などが原因となり、視力低下や両眼視が低下することがあります。斜視の治療には、眼鏡やコンタクトレンズ、目の筋肉を鍛えるトレーニング、手術などがあります。治療が適切に行われると、視力の改善や目の疲れの軽減が期待できます。

斜視の症状

斜視の症状は、以下のようなものがあります。
  1. 両目の視線が合わない:片方の目が正面を向いているのにもかかわらず、もう片方の目が内側または外側に向いていることがあります。
  2. 二重視や重影:斜視が原因で、1つの物体が2つに見えたり、ぼやけたりすることがあります。
  3. 頭痛や目の疲れ:斜視によって、両眼の焦点が合わなくなるため、長時間目を開けていると頭痛や目の疲れを感じることがあります。
  4. 目をこする:斜視が原因で、片方の目が疲れたり、刺激を受けたりするため、目をこすってしまうことがあります。
  5. 目の痛みや充血:斜視によって、片方の目が常に負担を受けているため、痛みや充血を起こすことがあります。

これらの症状がある場合は、眼科医や斜視の専門医に相談することをおすすめします。

斜視の原因

斜視の原因は、以下のようなものがあります。
  1. 眼筋の異常:眼球を動かす筋肉が均等に働かず、片方の目が正しく動かなくなることがあります。この場合、片目だけが斜視することが多く、常斜視と呼ばれます。
  2. 視力の差:片方の目がもう一方よりも視力が悪くなっていると、その目が正面を向くように調整するために、もう一方の目が斜視することがあります。
  3. 神経系の障害:脳や神経の異常によって、眼球を制御する神経が正常に働かなくなることがあります。
  4. 環境要因:長時間にわたる近くでの作業、携帯電話やタブレットなどのスマートフォンの使用、疲れやストレスなど、環境要因が斜視を引き起こすことがあります。
  5. 遺伝的要因:家族内で斜視が多く見られる場合があり、遺伝的要因が関係していると考えられています。

これらの原因の中には、複数の要因が組み合わさって斜視が発生する場合もあります。詳しい原因を知るためには、眼科医や斜視の専門医に相談することが必要です。

斜視の治療法

斜視の治療法には、以下のようなものがあります。
  1. 眼鏡やコンタクトレンズ:片方の目の視力が弱く、それが斜視の原因になっている場合、眼鏡やコンタクトレンズで視力を補正することで斜視が改善することがあります。
  2. 目のトレーニング:斜視の原因が眼筋の異常にある場合、眼筋を鍛えるトレーニングを行うことで、眼球を正しく動かすようにすることができます。このトレーニングは、眼科医や斜視の専門医によって指導されることが一般的です。
  3. 手術:眼鏡やトレーニングによる改善が見られない場合、または重度の斜視の場合、眼筋の手術が行われることがあります。手術によって、眼筋の長さを調整することで、眼球を正しい方向に動かすようになります。

治療法は個人によって異なります。また、斜視が複数の原因から引き起こされている場合、複数の治療法が併用されることもあります。斜視の治療には、早期に専門医に相談することが大切です。

斜視と診断されたら

斜視と診断された場合、まずは専門医の指導に従って治療を開始することが大切です。

まずは眼科医や斜視の専門医に相談し、詳しい検査を受けることが必要です。検査の中には、視力検査、眼圧測定、眼位検査、眼球運動検査などがあります。

その後、原因に応じた治療法が決定されます。治療法には、眼鏡やコンタクトレンズ、眼筋トレーニング、手術などがあります。また、生活習慣の改善や、環境の変化なども斜視の改善に役立つことがあります。

斜視は早期に治療を開始することが重要です。治療を遅らせると、視力の低下や二重視などの合併症が生じる可能性があります。定期的な検診や治療の進捗の確認を行い、斜視の改善に向けた取り組みを継続することが大切です。

斜視の予防法

斜視は、一部の場合を除いて先天的なものであるため、完全に予防することはできません。しかし、斜視の進行を遅らせたり、発症を予防するために以下の点に気をつけることが推奨されています。
  1. 早期の発見と治療:早期に斜視が発見され、治療を開始することで、斜視の進行を遅らせることができます。
  2. 目のトレーニング:適度な運動や、目のトレーニングを行うことで、眼筋を強化し、斜視を予防することができます。
  3. 目の疲れを予防する:過度なスマートフォンやパソコンの使用、長時間の読書やテレビを見ることなど、目に負担をかける行動を控えることが大切です。
  4. 視力の定期的な検査:定期的に視力検査を受け、視力の変化を確認することが重要です。視力が低下している場合は、眼鏡やコンタクトレンズを使用することで、斜視を予防することができます。
  5. 健康的な生活習慣:バランスの良い食事や十分な睡眠、ストレスを減らすことなど、健康的な生活習慣を実践することが大切です。

以上の点を心がけることで、斜視の進行を遅らせたり、発症を予防することができます。