末端肥大症の原因と症状

末端肥大症とは

末端肥大症(まったんひだいしょう、Acromegaly)とは、脳下垂体前葉から分泌される成長ホルモンが過剰に分泌され、体の末端部分(手足・顔など)が異常に大きくなる疾患です。

末端肥大症は、成人期に発症し、通常は40歳以上で診断されます。症状は、顔の変形や手足の大きさの増加、歯の間隔の広がり、発汗や多飲多尿、体重増加などがあります。

末端肥大症の主な原因は、脳下垂体腺腫であり、手術による摘出が治療法の一つです。また、薬物療法や放射線療法なども行われます。早期に発見・治療を行うことが重要で、放置すると健康に重大な影響を及ぼすことがあります。

末端肥大症の症状

末端肥大症の症状には以下のようなものがあります。
  • 手足・顔の大きさの増加:骨が異常成長し、手足や顔が大きくなることがあります。手袋や靴が合わなくなる、帽子が小さくなるなどの変化が現れることがあります。
  • 顔の変形:眉間の骨が隆起することで眉毛が分かれ、額が突き出したようになることがあります。また、顎が突き出るようになったり、歯間隔が広がったり、舌が大きくなったりすることがあります。
  • 発汗や多飲多尿:成長ホルモンが影響する部位に不調が生じ、汗をたくさんかく、多量の水分を摂取するなどの症状が現れることがあります。
  • 疲れやすさ:疲れやすく、体力が低下することがあります。
  • 関節痛や筋肉痛:異常成長した骨が、関節や筋肉に圧迫されることで痛みが生じることがあります。
  • 視力障害:腫瘍が眼球を圧迫することで、視力が低下することがあります。

末端肥大症の症状は、病気が進行するにつれて徐々に現れることが多く、症状が気になる場合は、早めに医師に相談することが重要です。

末端肥大症の原因

末端肥大症の主な原因は、脳下垂体前葉から過剰に分泌される成長ホルモン(GH)です。通常、脳下垂体は体内のGHの分泌を調節する働きがありますが、脳下垂体腺腫(pituitary adenoma)と呼ばれる腫瘍ができることで、GHの過剰分泌が起こります。

脳下垂体腺腫は、一般には良性の腫瘍ですが、成長ホルモンを過剰に分泌するために、末端肥大症の原因となることがあります。また、稀にGHを分泌する腫瘍が、脳下垂体以外の部位に生じることがあります。

末端肥大症は、成人期に発症することが多く、脳下垂体腺腫の原因には、遺伝的要因や環境要因が関与していると考えられています。一般的には、脳下垂体腺腫の発生率は低いですが、中年以降になると発生率が上昇するため、定期的な健康診断を受けることが望ましいです。

末端肥大症の治療法

末端肥大症の治療法には以下のようなものがあります。
  1. 薬物療法:成長ホルモン受容体拮抗剤やソマトスタチン類似体などの薬物を投与することで、成長ホルモンの分泌を抑制する方法があります。これにより、末端肥大症の症状の進行を抑えることができます。
  2. 放射線治療:放射線を照射することで、脳下垂体腺腫を縮小させる方法があります。ただし、副作用として脳機能の低下や視力障害などが生じることがあります。
  3. 手術:脳下垂体腺腫を摘出する手術が行われる場合があります。手術の方法は、鼻から挿入する内視鏡手術や、頭蓋骨を切開する外科手術などがあります。

治療法は病態の程度によって異なります。成長期の子供には薬物療法が用いられることが多く、成人期に発症した場合には、放射線治療や手術が選択されることが多いです。治療の目的は、末端肥大症の症状を改善することと、合併症の発生を予防することにあります。治療法には、それぞれリスクと副作用がありますので、医師と相談し、適切な治療を選択することが重要です。

末端肥大症に効く食べ物

末端肥大症の治療には、食べ物が直接的に効くわけではありません。しかし、末端肥大症による合併症を予防するために、健康的な食生活を心がけることが重要です。以下に、健康的な食生活のポイントをいくつか紹介します。
  1. バランスの良い食事:野菜、果物、穀物、肉類、魚介類など、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。特に、カルシウムやビタミンDを多く含む食品(牛乳やチーズなど)を摂取することで、骨密度の低下を予防することができます。
  2. 食物繊維を多く含む食品:食物繊維は、腸内環境を整える効果があります。野菜、果物、豆類など、食物繊維を多く含む食品を摂取するように心がけましょう。
  3. 塩分の摂取を控える:高血圧や腎臓病などの合併症を予防するために、塩分の摂取を控えることが重要です。加工食品やコンビニ食などに含まれる塩分にも注意しましょう。
  4. 飲酒の控え:飲酒は肝臓に負担をかけるため、肝機能の低下を引き起こすことがあります。また、末端肥大症によって肝臓の脂肪肝が進行することがあるため、飲酒の控えを心がけましょう。

以上のような、健康的な食生活を心がけることで、末端肥大症による合併症の発生を予防することができます。しかし、治療については医師と相談し、適切な方法を選択することが重要です。