狭心症の診断

診断のための検査

初めて医師の診断を受けると下記のような診断を受けます。

  • 問診
  • 視診
  • 聴診
  • 血圧測定
  • 胸部X線(レントゲン)
  • 安静心電図
  • 血液検査
  • 尿検査

狭心症の診断で最も大切なことは症状の確認ですが、都合よく診断時に症状が発生するわけではないので、これらの検査で高血圧や高脂血症、糖尿病などの危険因子がないかを確認します。

狭心症の診断

運動負荷心電図

狭心症は発作時に特有の異常が心電図にあらわれます。

しかし発作が出ていないときに心電図をとっても異常が検知されないことが多いので心臓に負荷をかけるために運動をおこない心電図にどのような変化があるかを確認する検査です。

方法

  • マスターテスト・・・階段の昇降
  • トレッドミル・・・ベルトコンベアのうえを歩く
  • エルゴメーター・・・自転車をこぐ

結果

心電図のSTと呼ばれる部分が低下していると陽性判定ですが負荷が十分でないと異常がでないこともあります。

また左室肥大があるとSTが低下し異常と判断される場合があるので、その場合は負荷心筋シンチグラフィという検査をおこないます。

ホルター心電図

狭心症の発作は激しい運動時に限らず日常生活の動作や睡眠中に起こることもあります。

そのため日常生活で発作が現れていないかを診断するために24時間心電図を連続して記録する方法です。

方法

レコーダーが内蔵された心電計を携帯し電極を体につけて24時間モニタリングします。

結果

記録されたデータを分析することで狭心症の発作や不整脈などが現れているかどうかを判断します。

負荷心筋シンチグラフィ

狭心症を診断する際に、心筋へ供給している血液の状態をチェックすることは重要です。

この検査は運動を行っているときに、どのくらいの血液が心筋に行き渡っているかをチェックします。

検査用の薬を血液の中に流し、その薬が心筋にどのように取り込まれているかを確認することで血流が悪い部分がひと目で分かり虚血状態を確認できます。

方法

運動負荷時に検査薬を注射し、運動を中止してからガンマカメラという装置で撮影します。

その後(3〜4時間)に安静時の状態も撮影します。

結果

心筋の虚血部分が画像で表示されます。

運動時と安静時の画像が比較できるので心筋の虚血状態が一時的なものかどうかの判断を可能にします。

冠動脈造影(心臓カテーテル検査)

狭心症の疑いがあり、薬を服用しても狭心症の症状が治まらない場合や手術の必要があると判断された場合に、冠動脈がどの程度狭くなっているかを確認するためにカテーテル検査を行います。

太さが1ミリ程度の柔らかいチューブ(カテーテル)を用いて造影剤を冠動脈に投入しレントゲンで血管の状態を撮影します。

方法

股関節に近い足の付根や手首の動脈にカテーテルを挿入し心臓まで送り込みます。

カテーテルが冠動脈内に到達したら造影剤を注入しX線撮影を行います。

結果

X線画像で血管の狭まり具合を確認します。

次の記事は『狭心症の治療』

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