動脈硬化の最新知識

人間は血管から老いる


血管は一般的に、物言わぬ臓器と表現されます。血液がドロドロになって血管壁が痛めつけられていても目に見えるサインを出してくれません。

動脈硬化の進行を自覚するのは、大抵の場合に、心筋梗塞や脳梗塞を発症したときです。

心筋梗塞や脳梗塞は50〜60代に発症することが多く、殆どの患者は、その時点で発病したと思ってしまいますが、実際には10年〜20年前から原因となる動脈硬化が進行し、長い年月を経て血管が詰まりやすくなり脳梗塞や心筋梗塞を発症するのです。

若い世代にも起こる動脈硬化

動脈硬化は血管の老化現象とも言われますが、ここ数年で若者層にも広がりつつあります。特に20代後半〜30代の人たちに、心臓の血管の動脈硬化による心筋梗塞や狭心症の症例が増えてきています。もはや動脈硬化は加齢による宿命的な病気と断言できないのです。

血管年齢と実年齢

ここ最近よく耳にするのが『血管年齢』という言葉。これは動脈硬化が老化現象ではないということを明らかにする新しい概念と検査項目なのです。

血管年齢は、その人の血管が自分の年齢に相応しているかどうかを知るための指標で、動脈硬化の進行度を測る物差しということもできます。

血管の老化予防

動脈硬化が若い世代に増えてきた背景にはライフスタイルの欧米化が指摘されています。

若者層の血管の老化には以下の要素が考えられます。

  • 高エネルギー・高カロリーな食事
  • 慢性的な運動不足
  • 多様化する社会でのストレス

当然ですが、これら以外にも飲酒や喫煙など生活習慣の乱れが原因にもなるので、血管の老化を防止するにはライフスタイルを見直すことが重要になります。

次は「ドロドロ血液の原因」

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