10.アスペルガー症候群のこころの説明

アスペルガー症候群の子どもは、乳児期から、過敏で好き嫌いが多く、特定のものしか食べないなど、いわゆる「育てにくい子ども」に属しているといえます。

特に、食べ物について味覚過敏、臭覚過敏があります。きのこやなすなどは触覚が嫌いです。また、にんにくなどのにおいの強いもの、刺激の強いものなどが嫌いな子どもが多いようです。

きのこは、噛んだ時の「グニュ」という感じが、あまり好きではないようです。

後になって聞いてみると、「きのこ?えっ!でもあれはカビの一種でしょ。何でカビを食べるの?」と答えた人もいました。

このようなことが子どもにわかるはずがありません。大人になってからの言語的な説明で、本当の過去の自分から出た言葉ではないことは、おわかり頂けると思います。

しかし、1歳前から偏食が始まることは殆ありません。このことからは、食感が変わることがもっとも大きい原因であるかとも思えます。

例えば、生野菜は嫌いでもカレーの中の根菜類は食べる、という子どもも多いようです。その他、グリンピースを混ぜご飯から出してしまう子どもなどは、突然食感が変わることが嫌だからとも考えられます。ご飯を食べていたり、おにぎりを食べていたりして、梅干しの種を噛んでしまったときのイヤな感じに似ているのかもしれません。

すべてが、過去のトラウマの産物というつもりはありませんが、こんな考え方をすることもできるのを覚えておいてください。

社会のルールを理解することの難しさ