1.目を合わせてコミュニケーションがとれません

コミュニケーションをとる、ということを考えてみてください。

コミュニケーションをとるときは大抵の人が相手と目を合わせて話したり、聞いたりするでしょう。

認知機能の点から考えてみましょう。

刺激を選択する、あるいは適切に処理する能力がなければ、同時に二つの行動はできません。例えば、

  • ある行動をしながら人の言っていることを聞き分ける
  • 目を見ながら話をする
  • 話を聞きながら書き写す
  • 食事をしながら話をする

もしかしたら、指差しをすることも、あるものを見ながら、手と指を動かすという同じような観点から考えることもできるかもしれません。

このことは、別の観点からは、いわれていることを聞くために人と同じものに注意を向ける、ヒトの注意を自分の要求を伝えるための注意喚起に使う(要求の指さし)、念を押すために言葉を付け加える、などが正しいやり方です。

ヒトと同じ対象物を共有する(三項関係)など、これらを「共同注意」という言い方をします。しかし、その共同注意の能力が十分に育っていないヒト、文脈の理解に問題のある人に、目を合わせて話をしろといっても無理なことなのです。

このようなことを、自然に身につける能力に問題があるとしたら、可能な認知能力を身に付けた年齢に、どうすべきかを教えてあげなければいけないかもしれません。

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