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きちんと治療すればよくなる病気

甲状腺の病気には、バセドウ病橋本病甲状腺腫瘍などがあります。あまり耳慣れない病気ですが、多くは直接命にかかわるような、こわい病気ではありません。

医師の診察を受け、指示通りに治療を続けていけば、たいがいの場合、よくなります。

むしろ、この病気のこわい点は、治療を受けずにほうっておくこと。せっかく治療法があるのに、真剣に取り組まないと、徐々に悪化していく可能性があるのです。

喉仏のすぐ下にある小さな器官

甲状腺と言われても、どこにあるのか、殆どの人がピンとこないかもしれません。喉に手を当てて声を出したとき、振動するのが喉仏で、その下に位置するところが甲状腺です。

正常な甲状腺は、外から手で触ってもわかりません。なんらかの原因で腫れて大きくなると触れることができるので、しばしば病気の発見のきっかけになります。

二つの面から病気をとらえる

甲状腺の病気を理解する時に大切なのは、「機能の異常」と「形の異常」です。

甲状腺は、甲状腺ホルモンという、代謝を促すのに大切な物質をつくり、血液中に流しています。

「機能の異常」が起こると、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になったり、少なくなったりします。すると、代謝が進み過ぎたり、逆に低下したりして、いろいろな症状に悩まされることになります。バセドウ病や橋本病は、その代表格です。

「形の異常」とは、腫れやしこりができることです。甲状腺全体が大きくなるびまん性甲状腺腫と、一部にしこりができる結節性甲状腺腫があります。

バセドウ病とは甲状腺の機能が進み過ぎる病気

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが必要以上につくられてしまう病気で、甲状腺機能亢進症の代表的なものです。男性よりも女性に多く、患者の半数以上を占めるのは20〜30歳代の女性です。

若い女性に多いが、男性や高齢者は少数

甲状腺の病気は、男性よりも女性に多く発症します。病気になった人の男女比をみると、甲状腺の病気全体では、男性1人に対して女性9人と、圧倒的に女性が多いことがわかります。

一方、バセドウ病の場合、患者の男女比は男性1人に対して女性4人。やはり女性が多いものの、甲状腺の病気の中でバセドウ病は、男性がなりやすい病気といえるでしょう。また、男性がバセドウ病にかかると、女性よりも重症になる傾向があります。

発症年齢で一番多いのは20〜30歳代です。15歳未満はほとんどかかりません。

60歳以上も発症しますが、もともと高齢者は加齢によって甲状腺自体が変化してるので、若い人とは違う症状が出ます。

バセドウ病は奇病や難病ではない

バセドウ病は、研究者であるドイツの医師、カール・フォン・バセドウの名にちなんでつけられました。

バセドウ病は、自己免疫疾患という、免疫に異常が生じる病気です。原因は不明ですが、有効な治療法が確立されています。けっして奇病や難病ではありません。

甲状腺ホルモンをつくりすぎてしまう病気

バセドウ病が発病するしくみは、なんらかの原因で、自分自身を攻撃する抗体が出来てしまうことから始まります。

この抗体は、甲状腺刺激ホルモンのかわりに甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンを過剰につくらせます。その結果、代謝の機能が進みすぎてしまい、動悸や指の震え、多汗、疲れやすくなるといった症状があらわれるようになるのです。

バセドウ病の症状は三種類にグループ分けできる

バセドウ病の症状は大きく3つに分類されます。なかでも、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることによる症状は多岐にわたります。

疲れやすく日常生活に支障

バセドウ病の人がもっとも多く訴える症状は、「最近、疲れやすくなった」というものです。

これは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることによる症状のひとつ。症状が酷くなると、日常生活に支障をきたすようになります。

エネルギーの消費が激しい

バセドウ病になると、いままでは平気だった同和が辛くなったり、暑がりになって、よく汗をかき、体重も減少します。これは、エネルギーを消費してしまうためです。とくに夏は辛く、よく夏バテと勘違いされます。

年齢によって違う症状が出る

バセドウ病の症状の現れ方は、年齢によって異なります。

甲状腺の腫れは、一般に若い人のほうが大きく、60歳以上になるとあまり目立たない傾向にあります。体重減少は、高齢者のほうによくみられます。

子どもの場合は、集中力が低下し、イライラしやすくなります。

バセドウ病の主な3症状

バセドウ病の代表的な症状は3つ。1つは甲状腺が腫れ首が太くなる甲状腺腫。2つめは20〜30%の人に現れる眼球突出、3つめは動悸や指の震えなどの甲状腺ホルモンが過剰になることによって起こる症状です。

3つとも症状が出る人は少数で症状の出方や程度には個人差があります。

よくある誤解

バセドウ病というと目が出る病気だと思っている人が多いが、それは間違いです。実際に目の症状が出る人は少数なのです。

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