日本脳炎

どんな病気?

日本脳炎ウイルスの感染によって脳が炎症を起こし、頭痛、意識障害などが現れます。
日本脳炎ウイルスで汚染されている豚を刺したコガタアカイエ蚊が人を刺すことによって感染します。
7~9月に流行しやすく、西日本がより多く発生するなど発生地域(汚染地域)に片寄りがあります。潜伏期間は7~10日間です。

予防法・治療法

日本脳炎は意識障害などの後遺症を残しやすく、死亡率の高い、おそろしい病気です。
このおそろしい病気の感染・発病から身を守るために、流行しやすい汚染地区に住んでいる場合はもちろんのこと、その他の地域でもワクチンを接種して予防することが大切です。また、蚊にされない注意と、蚊を発生させない工夫を忘れないようにします。治療としては高熱には解熱剤、けいれんには抗けいれん剤を投与するなど、対症療法が中心になります。

どんな症状?

初期の症状

急に39~40度の高熱が出て、頭痛、嘔吐が始まります。頭の後ろがかたくな
り、触るといやがるなど、脳神経症状が現れます。うつらうつらと眠ってばかり
いたり、意識がうすれて反応が鈍くなったりします。

次に起きる症状

発病から数日すると、意識障害が現れ、けいれんを起こすこともあります。
各睡状態に陥って死亡することもあり、この時期をうまく乗り切ることが大切です。

治りかけの症状

3~10ヶ月余り続いた熱が下がり始め、意識がもどり回復に向かいます。ただし、初期の頃から昏睡状態などが続いている場合は、意識障害、言語障害、知能障害、運動機能の障害などの後遺症が残ってしまう可能性が多いようです。
死亡率も約30%と高く、今から70年ほど前に大流行したときは、患者の半分以上が死亡したといわれます。

ホームケアのポイント

  • 予防の第一はワクチンを接種すること。子どもを連れて病気が流行している地域に行くときには、必ずその前に予防接種を受ける必要がある。
  • 環境を整えて、蚊に刺されないようにすることも大切。夏は常に網戸を閉め、家の中への蚊の侵入を防ぐ。また家のまわりの雑草を除き、水たまりをつくっておかないようにして、蚊を発生させないことが大切。
  • 疲れすぎたり、睡眠不足になって体力がおちているときなどに発病しやすいので、規則正しい生活を過ごさせる。炎天下で帽子もかぶらず長時間過ごすことは追ける。