結核症

どんな病気?

結核菌が口や鼻から侵入し感染する伝染性の病気です。乳幼児の結核は、ほとんどが家族からうつる家庭内感染です。結核は感染しても必ず発病するとは限りませんが、乳児は発病しやすく(発病率は50~80%)激に病気が進行しやすいので注意します。
BCG接種が普及してから、子どもの重症結核心者は少なくなりましたが、まったくなくなったわけではありません。海外では発病率の高い国があり、国際交流の盛んになった現在、知らないうちに保菌者と接触することもあり、結核のための死亡者は減ってはいますが、病気自体は少しずつ増えています。

治療法・予防法

乳児に染したことがわかったら、発病しないように予防内服を行いますが、それでも発病したりきちんと治療を受けます。現代は早期に確実な治療をすれば、結核は必ず治るといわれます。早期発見と早期治療が大切です。

どんな症状?

初感染結核

体内に取り込まれた結核菌は、まず肺に侵入し初感染原発巣をつくります。さ
らにリンパの流れにのって肺内リンパ節に達し、肺内リンパ節結核となります。
自覚症状のないままに病気は進み、やがて食欲不振や体重減少、発熱、だるさ、顔色が悪いなどの症状が現れます。
乳児は病気の進行が早く、悪化しやすいので、慎重な対処が必要です。

粟粒(ぞくりゅう)結核症

結核菌が肺内リンパ節から静脈内へ入り込み、血流によって全身にばらまかれていたるところに栗粒大の結核結節をつくり、肺のレントゲン写真には特有な影がみられます。熱が高く、せき、呼吸困難、チアノーゼが現れ衰弱します。予後は悪く、死亡する場合も多くみられます。

結核性髄膜炎

血流に散らばった結核菌が、さらに脊髄に浸入して、髄膜の炎症を起こした状態で栗粒結核症をともなっていることが多いようです。不機嫌、眠りがち、熱、幅嘔吐、大泉門の膨隆など脳の刺激症状が現れます。早い、適切な治療が必要です。

ホームケアのポイント

  • 赤ちゃんや子どもの結核は、表面に症状が現れていなくても、軽く考えるのは禁物。医師の指示に従って薬を服用するなどきちんと治療を続けることがホームケアのポイント。
  • 栄養状態をよくし、環境の調整や生活のメニューは医師の処方を守り、病気が進行したり、合併症を起こさないように注意する。
  • 予防のポイントは、早めにBCGを接種すること。家族に結核患者が出たら、家族全員がきちんと検診を受け、必要であれば楽の予防内服、経過観察など医師の指示に従うことが大切 。