麻疹(はしか)

どんな病気?

麻疹ウイルスの飛沫感染によって起こる、伝染性の強い病気です。
いったんかかると症状も重くなりがちで、肺炎や中耳炎、喉頭炎、脳炎、亜急性硬化性全脳炎などの合併症を起こしやすく、死亡率の高い病気です。子防接種による予防が第一です。
もっとも感染力の強い時期は発疹の出る3~4日前から発疹の出るまでで、いっしょに遊んだだけでうつります。
予防接種をまだ受けていない子どもがはしかの子と遊んだという場合、接触後(感染後)6日以内なら、ガンマグロブリンの注射で一時的に免疫力をつけて感染を防いだり、軽くすませることができます。
発疹が現れた日は他の子にとって、その日が後4日目と考えます。

予防法

1歳をすぎたら、なるべく早く子防接種を受けることです。麻疹ウイルスにきく薬はありませんが、二次感染の予防のために抗生物質が投与されます。

どんな症状?

初期症状(カタル期)

28~29度の高熱とせきくしゃみ、鼻汁、目が赤く充血し目やになどの結膜炎
症状を伴ったカゼ症状が現れます。発熱後2~3日目頃にほおの内側の粘膜に中央が白く、周囲が赤い粟粒大のコブリック斑が現れればはしかと診断されますが、最近はみられないことも多いようです。

次に起こる症状(発疹期)

少し下がりぎみだった熱が再び上がるときに発疹が現れます。鮮紅色の発疹が顔、耳の後ろ、向などに現れ2日ぐらいで全身に広がります。小さかった発疹が
だんだん大きくなり、くっつき合い、暗紅色になってきます。

治りかけの症状(回復期)

発疹が出てから4日前後で熱が下がり始め、発疹の色もだんだん、あせてきて黒褐色の色素沈着として残ることが特徴です。色素沈着は治ゆ後もしばらくは残
りますが、自然に消失します。
普通2週間前後で治りますが、肺炎、中耳炎、脳炎などの後遺症が残りやすく、死亡例も多いので油断できません。

ホームケアのポイント

  • 室温(20度くらい)、湿度(50%~)を適度に保ち、換気に気をつけて、安静にさせる。
  • 高熱が続くときは脱水症にならないように水分を十分に与える。
  • 麻疹だからと温めすぎないように。熱があるときは頭をよく冷やす。
  • 他の病気を併発しないように、栄養のバランスをとり、体力をつけることが大切。ただし、消化器その他の粘膜にも麻疹ができるので、消化のよいものをとらせる。