破傷風

どんな病気?

破傷風菌が新生児のへそや、子どものけが、やけどなど皮膚が傷ついているところから感染し、菌が出す毒素によって中毒症状を起こす病気です。
破傷風菌は空気中を嫌い土の中に生息しています。破傷風の免疫のない子どもが、破傷風菌で汚染されている上で遊んでいるときにけがをするとその傷口から菌が侵入し染します。破傷風菌は刺し傷のように傷口が小さくて深いほど生存しやすく表面の傷が治っても体内で増殖して発病します。潜伏期は3日~3週間ぐらいです。

予防法・治療法

破傷風ワクチンの接種を受けることによって子防できます。
治療では傷口を切開して菌を空気にさらすことが大切です。破傷風ヒト免疫グロブリンの注射や筋肉弛緩剤、抗けいれん剤などの投与、抗毒素の点滴などが行われています。傷口は大きく開き、抗生物質(特にペニシリンが効く)を用います。けいれんが止まらないときや、呼吸困難が強いときは、気管に管をさし込ん
だり、切開して呼吸ができるようにします。回復期には破傷風トキソイドを注射
して、再発、および再感染を防ぎます。

どんな症状?

初期の症状

初めは首すじ、肩などの緊張感、ケガをした側の手足の異常感覚などが感じられ、やがて、あごとうなじの筋肉が硬直し、口を開くことができなくなります。
けいれん性の硬直がほおの筋肉にもおよび、筋肉の硬直が広がっていき、言葉を
発せなくなり、物をかむことができなくなり、歩行も困難になってきます。

次に起こる症状

筋肉の硬直が2~3日の間に全身にひろがり、突然、全身の強直性けいれんが起こります。発作の回数はだんだん間隔が短くなって、5分ごとに現れるようになります。口はまったくあけることができず、嚥下障害、排便や排尿障害が起こり、呼吸困難が強まってきます。最も症状が強いこの時期は2~3週間続きます
が、意識はしっかりしています。

治りかけの症状

発病から3~4週間でけいれんはなくなり、他の症状もだんだん治っていきます。しかし予後は大変悪く、死亡率は60~90%(老人や新生児)といわれます。

ホームケアのポイント

  • この病気は予防接種を行って予防することが第一。確実に基礎免疫をつけておけば、けがをしたときに破傷トキソイドを追加接種することで子防できる。
  • 日頃から破傷風菌で汚染されている場所の情報を得るようにし、心配なときは医師に相談する。
  • 死亡率が高いので、感染が疑われるときは、専門病院での入院治療が必要。

ペットから感染する病気

病名感染源病気の症状
トキソプラズマ症犬や猫、鳥など。特に猫の糞便が主トキソプラズマという原虫によって起こる。発熱、リンパ節の腫れ、発疹、視力障害、肝臓の腫れが主な症状。肺炎、脳炎、水頭症を引き起こすこともある。
猫ひっかき病猫にひっかかれたり、咬まれた後2週間ぐらいして傷口の近くのリンパ節が腫れる。熱、寒気、吐き気をともなうこともある。リンパ節の腫れは半年くらい続く。
オウム病セキセイインコ、鳩、にわとり、アヒル鳥を媒介にしてクラミジアが感染して起こる。発熱、頭痛、せき呼吸困難など呼吸器の症状が主。クラミジア肺炎は重症。
クリプトコッカス症真菌の仲間であるクリプトコッカスは鳩の糞の中に含まれている。発熱、嘔吐、うなじの硬直など肺炎や髄膜炎の症状が現れる。
犬・猫回虫症犬・猫に寄生する回虫回虫の成熟卵が口から入って体内で幼虫が孵化し、あちらこちらの臓器にくっつく。肝臓の腫れが主な症状で、脳炎のような症状や視力障害を起こすこともある。
動物疥癬犬猫に規制する疥癬虫疥癬虫が一時的に寄生するだけ。犬や猫を抱いたときに触れる部分の皮膚に赤い発疹ができて、かゆみが生じる。