便秘改善に効く代表的な栄養素
便秘予防と改善で一番重要なのは食事の内容です。とくに意識して摂りたい栄養素は以下の通り。
- 食物繊維
- 便のかさを増やすとともに軟らかくし排便を促進する
- 乳酸菌
- 腸内にある善玉菌を殖やし腸内環境を整える役割がある
- オリゴ糖
- 腸内にあるビフィズス菌などの乳酸菌の栄養分になり乳酸菌を増やす
- ビタミンE
- 腸の動きをコントロールする自律神経を調整し血行促進と胃腸の動きを活発にする
これらの栄養素を出来るだけ毎食摂るように意識し、さらに水分をこまめに補給することを心がければ、大抵の便秘は改善します。
しかし、忙しくて栄養のことを毎日考えながら食事をすることが難しいという人も多いのではないでしょうか?
そんな時は毎朝ヨーグルトを食べることを習慣にしましょう。
また、白米を玄米に変えたり、野菜や果物で作ったジュースで水分を補給するなどで今の食生活に少しだけ手を加えても効果が現れます。
食物繊維は水溶性と不溶性の2種類がある
食物繊維は人の消化酵素では消化できない成分で、水に溶ける食物繊維と水に溶けない食物繊維の2種類があります。
不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収し膨らむことで腸壁が刺激され、腸のぜん動運動が活性化します。
水溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収するとゲル状になり有害成分を吸着し排出してくれます。
また腸内の善玉菌を増やす効果もあり高い整腸作用があります。
代表的な水溶性食物繊維は海藻類に含まれるフコイダインやアルギン酸、こんにゃくに含まれるグルコマンナン、山芋やオクラに含まれるコンドロイチン硫酸です。
また、食物繊維はコレステロールの吸収を促すので糖尿病や高血圧、肥満の予防効果があり生活習慣病の改善のためにも積極的に摂取したい栄養素です。
腸内環境を整える乳酸菌
腸内には善玉菌、日和見菌、悪玉菌の3種類があります。
善玉菌は糖質を分解し乳酸や酢酸をつくり腸内を酸性にします。
悪玉菌は酸性の環境では活動できないので腸内の善玉菌が増えると腸内環境がよくなり、大腸のぜん動運動が活発化し、便通がスムーズになります。
乳酸菌は善玉菌のひとつ。乳酸菌の一種であるビフィズス菌は大腸の中にある腐敗菌や病原菌が増えるのを防ぎ免疫力を高め、腸内環境を整える能力があります。
乳酸菌には動物性と植物性の2種類があり、どちらもバランス良く摂取するのが理想です。
ヨーグルトやチーズなどの乳製品には動物性乳酸菌が多く含まれており、醤油や味噌などの発酵食品には植物性乳酸菌が多く含まれています。
どの食品で摂取するのが効果的かは個人差があるので、色々な乳酸菌食品や飲料を試してみて、一番自分にピッタリの食物を見つけてみましょう。
善玉菌をサポートするオリゴ糖
腸内の環境を整え維持するには一定量の善玉菌が腸内で活動していることが理想です。
オリゴ糖はビフィズス菌などの善玉菌の餌になり腸内の善玉菌を増殖させる働きがあります。
オリゴ糖はブドウ糖と果糖が結合した糖質で、胃の消化酵素で分解されないので生きたまま腸に届いて善玉菌の栄養源になります。
また、腸内細菌の作用で発酵する酢酸や乳酸などをつくり腸内を酸性の状態にし悪玉菌の活動を抑え腸内環境を整えます。
また、オリゴ糖には余分なコレステロールを排出したり血糖値を正常にする作用があり動脈硬化の予防にも効果があります。
オリゴ糖は体内に殆ど吸収されないのでダイエット中の人や糖尿病の人でも安心して摂取できる糖質です。
更に、糖分にも関わらず虫歯の原因となるミュータンス菌の栄養分にならないので虫歯予防効果も期待できる優れものです。
自律神経を整えるビタミンE
腸の動きを活発にし便秘を改善するには腸の動きをコントロールし自律神経の乱れを調整する必要があります。
ビタミンEには自律神経を整える作用と末梢神経を広げて血行を促進する効果があるので便秘解消には欠かすことができない栄養素のひとつです。
ビタミンEは脂溶性ビタミンなので油を使った炒めものなどに調理すると吸収効率が上がります。
ビタミンEが豊富に含まれているナッツ類を野菜炒めに加えるのも良いかもしれません。
血行促進効果があるビタミンEを摂取することで、冷え性、肩こり、腰痛などの改善や美肌効果も期待できます。
さらに、女性ホルモンのバランスを整えてくれるので生理痛や更年期障害の改善などにも効果があります。
また、ビタミンEには強い抗酸化作用があるので高血圧、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞といった生活習慣病を予防したり、癌の予防効果も期待できる便秘のみならず健康には欠かせない栄養素なんです。