非定型うつ病の特徴と症状

楽しいときは気分が晴れる「非定型うつ病」

典型的なうつ病とは異なる症状が特徴的なうつ病で、近年、若い世代を中心に患者数が増加しているといわれています。

女性や若い人に多く、過眠や過食といった症状が特徴的

『非定型』とは、典型的なうつ病とは異なるタイプという意味です。大きな特徴は、うつ病ではほとんどのケースで見られる不眠や食欲の低下がないことがあり、むしろ睡眠時間が長くなりすぎたり、過食によって体重が増える場合があることです。

また、典型的なうつ病では何事に対しても自分を責めてしまいますが、非定型うつ病では、責任をむしろ他人に転嫁することもあります。朝や昼は気分がよく、夕方から抑うつ気分が重くなる傾向があります。これも、うつ病とは異なる特徴です。

人から叱られるなど、不利な状態になると、極度に落ち込みますが、よいことがあったときや好きなことをしているときなどは、気分がよくなります。

そのため、周囲からは「ただのわがまま」と思われがちです。また、治療を始めても慢性化することが多く、『本人の性格のせい』といわれてしまうこともあります。

生活リズムを整えて症状の改善を早める

治療の第一歩は、起床・就寝時間や食事のタイミングを決め、それを守って生活のリズムを整えることです。

典型的なうつ病では休養が必要ですが、非定型うつ病ではむしろ、できる範囲で仕事や家事をこなすことで、生活のリズムの乱れを防ぐことが大切です。

非定型うつ病は、薬が効きにくいため、こういった生活改善や精神療法が重要です。

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