食事制限で糖尿病患者の8割が改善する
2型糖尿病は暴飲暴食などの食習慣を改善し食事の摂取エネルギーを制限するだけで、8割以上の患者の血糖コントロールが改善できます。
それにって糖代謝全般が改善され、脂肪細胞や筋肉細胞でインスリンの効果が高まります。
高血糖の状態が続くと全身に倦怠感を伴うので、体力をつけようと過食がちになってしまうのですが、口から摂取した糖分は尿糖となり尿の中に排泄されてしまいます。
血糖が高い数値になると喉の渇きが強くなり、ジュースなどの清涼飲料水を飲んでしまい、清涼飲料水に含まれるブドウ糖で更に血糖値が増えるという悪いサイクルに陥ることもあります。
要するに高血糖であることが悪循環を起こす根源になるので、食事療法は、この悪循環の根本を改善するうえで大きな効果が期待できるのです。
食事療法で膵臓に休息を与える
糖尿病患者が暴飲暴食をすると膵臓の負担が急激に高まります。
膵臓は血糖値を抑えるためにインスリンを分泌し奮闘しますが、暴飲暴食が長期間におよぶと、膵臓の負担がピークになりインスリンの分泌ができなくなります。
食事療法には、過度な負担がかかった膵臓を休めるという役目もあるのです。
食事療法によって負担が軽減された膵臓は本来の状態にもどり血糖コントロール機能を取り戻すと、高血糖のときよりもインスリンの分泌が俊敏になります。
食事療法で注意すべきこと
膵臓の負担を軽くし血糖を高めない
糖尿病の食事療法は不足したインスリンの作用に見合った食事を摂ることで膵臓の負担を取り除き血糖を高めないようにし、膵臓本来のちからを呼び戻すことが最大の目的です。
食事療法のルール
- 1日の摂取エネルギーを守る
栄養バランスのとれたメニューにする
規則正しい食習慣を行う
食事療法に欠かせない食品交換表
糖尿病の食事療法では医師の監修による食品交換表を活用します。
食品交換表は糖尿病のスペシャリストによって作られた食事療法のガイドラインで、誰でも簡単に必要範囲内のエネルギーでバランスのとれた食事ができるよう考案されています。
食品交換表は、エネルギーの最小単位を80kcalとし、各食品が80kcalあたりの重量が表示されているので複雑な計算をすることなく必要エネルギー量に対して料理の食材を選ぶことができます。
また、食品交換表には、バランスの良い食事がとれるように、様々な食材を栄養素の割合によって6つのグループに分けられています。