食物繊維で悪玉コレステロールを掃除
食物繊維には人間の消化酵素で消化できずにそのまま排出される「難消化性」という性質があります。
消化されないのでカロリーはありません。しかも胃の中で滞留時間が長いので満腹感が持続しコントロール食に役立つ栄養素のひとつです。
さらに、食物繊維には悪玉(LDL)コレステロールの値を下げる機能があります。また、食物繊維には腸内のコレステロール吸収を阻害したり、コレステロールから作られる胆汁酸を吸着し排泄してくれます。
胆汁酸の排泄量が増えることで肝臓は血液中のコレステロールを消費して新たに胆汁酸を作ります。食物繊維を摂取した量と同じ量の胆汁酸が作られるので、食物繊維を多く摂取するほどコレステロールを減らすことができるのです。
食物繊維の摂取目標は1日30グラム
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。
どちらもコレステロールを減らすうえで重要な栄養素ですが特に水溶性食物繊維が推奨されます。1日の摂取量は30グラムが望ましいとされています。
水溶性食物繊維は水分を吸収することで膨張し胃に滞在する時間が長くなるので消化吸収のスピードが低下します。その結果、コレステロールや血糖、塩分などの吸収が抑制され動脈硬化や高血圧、糖尿病予防に効果があるとされています。
一方、不溶性食物繊維は腸内環境をよくし、便の量を増やし排出を助ける効果があるのでコレステロールの排泄が促進されます。
水溶性食物繊維の例
- ペクチン・・・野菜、果物に多い。
- グアーガム・・・マメ科植物グアーに含まれている天然多糖類。
- アルギン酸・・・昆布、わかめなどの海藻類に含まれる。
- グルコマンナン・・・こんにゃくいも特有の成分。
不溶性食物繊維の例
- セルロース・・・野菜、きのこなどに多く含まれる成分。
- ヘミセルロース・・・穀類、豆類などに多い非セルロース多糖類。
- キチン・・・えび、かになどの殻に多く、間接などの動きをよくするグルコサミンが得られる。
- リグニン・・・カカオ豆などの豆類に多い。