糖質とは

1グラムで4キロカロリーのエネルギー源になる

糖質は、炭素・水素・酸素で構成される有機化合物で、化学構造の特徴から、ブドウ糖などの果糖類、ショ糖やオリゴ糖などの少糖類、でんぷん・グリコーゲンなどの多糖類に分類されます。

主にエネルギー源として体内で利用される糖質は、人をはじめとする動物の体内にはわずかしか含まれていません。そのため、緑色植物が光合成でつくったでんぷんなどの糖質をエネルギー源として摂取し、利用しています。

ブドウ糖に分解され全身のエネルギーになる

食べ物から摂取した糖質の多くは、消化吸収されたあと、最終的にブドウ糖に分解され、血液を通して各細胞に運ばれ、エネルギーとして利用されます。同様に、エネルギー源となる資質と比べると分解と吸収が早く、即効性があるのが特徴です。

体脂肪に変わり肥満につながる

過剰に摂取したブドウ糖は脂肪に合成されて脂肪細胞に運ばれ、体脂肪として蓄えられるので、摂取しすぎると肥満を招くことになります。

砂糖や果物に多い果糖は、大量に摂取すると肝臓に蓄積されたり、高中性脂肪血症、高尿酸血症を起こす可能性があります。

また、砂糖の主成分のショ糖は虫歯の原因になります。ショ糖を摂取すると、口の中のミュータンス菌により粘液性物質がつくられ、その中で色々な菌が増え、歯を溶かす有機酸が産生されます。

体タンパク質、体脂肪を分解する

糖質が不足すると、靭帯を構成する体タンパク質や体脂肪が分解され、エネルギー源として充当されます(糖新生)。体タンパク質の大量の分解は筋肉を減少させたり、体脂肪の場合はケトン血症(血中にケトン体が増加する)を招きます。

糖質を摂り過ぎたらたらビタミンB1も十分に摂る

体内で糖質がエネルギーに変わるときには、ビタミンB1が必要になります。夏バテの原因のひとつは、甘い清涼飲料水や氷菓、果物などで糖質を大量に摂取しているのに、食欲が落ちて食事がおろそかになり、ビタミンB1が不足することが原因と考えられています。

胚芽はビタミンB1の宝庫。玄米や胚芽米、麦やキビなどの雑穀、全粒パン、胚芽パンなど、胚芽つきの加工食品を積極的に摂取するとよいでしょう。また、ビタミンB1は豚肉にも豊富に含まれています。

炭水化物と糖質の違い

消化酵素で消化される『糖質』と消化されない『食物繊維』をあわせて炭水化物と呼んでいます。消化・吸収されエネルギーとして活用される糖質と違い、食物繊維は体内で利用されない非栄養素成分と考えられていましたが、現在では生活習慣病の予防や治療に役立つことがわかり注目されています。

まとめ

構造 炭素・水素・酸素の3元素からなる、Cn(H2O)の形で表される有機化合物
生理作用 エネルギー源、体組織の構成成分
供給源 穀類、イモ類、砂糖、果物など
とり過ぎた場合 肥満、脂肪肝
不足した場合 エネルギー不足による疲労、ケトン血症
適正エネルギー比率(成人) 総エネルギーに占める糖質エネルギー比は50~70%未満